明徳義塾「左四つからの押し出し」で2年連続20度目センバツ出場権獲得へ!



明徳義塾の3番遊撃手・米崎 薫暉(2年主将)

 「この一週間は基本を振り返ってやってきた。強いと誤解するのが怖い」
 試合前の囲み取材。明徳義塾・馬淵 史郎監督からは一度たりも「打って勝つ」という言葉は出なかった。その代わりに口を突いたのは「いかに『得点』を取るか」その真意は試合後すぐに明らかになる。

 2回裏、明徳義塾は初回に自己最速にあと2キロと迫る最速138キロを出しながら制球が定まらない鳴門先発・前田 一輝(1年・右投右打・189センチ78キロ・徳島東リトルシニア出身)に対し安打、四球と8番・山蔭 一颯(2年・右翼手・右投左打・174センチ68キロ・東岡山ボーイズ<岡山>出身)の三塁前に転がす絶妙バント安打で無死満塁とすると、まずは2つの押し出し四球を強奪。

 続いて前田が置きに来たストレートを「変化球は来ないと思って張っていた」3番・米崎 薫暉(2年主将・遊撃手・右投右打・171センチ74キロ・茨木ナニワボーイズ<大阪>出身)の左前に弾き返し2点を追加した明徳義塾は5番・加藤 愛己(2年・捕手・右投右打・175センチ80キロ・筑後リバース<ポニー・福岡>出身)も右越2点二塁打で計6得点。「力が入って球が上ずっていた」代木 大和(2年・左投左打・183センチ75キロ・川之江ボーイズ<愛媛>出身)にとってこれ以上ない援護点となった。

 そして代木は3回表一死二・三塁からの内野ゴロにより連続イニング無失点は32イニングス目で途切れるもカットボール・スライダー・カーブを同じ球速帯から投げ分ける安定感抜群の内容で7回84球7安打5奪三振。打線も5回裏には加藤の適時打。6回裏も6番・岩城 龍ノ介(2年・一塁手・右投左打・174センチ68キロ・湖東リトルシニア<滋賀>出身)の適時打で突き放した。

 対する鳴門も7回表二死一・二塁から初回に強烈なゴロでの遊撃内野安打を放つなど唯一代木にタイミングが合っていた1番・井川 欧莉(1年・右翼手・左投左打・178センチ71キロ・高松リトルシニア<香川>出身)の右前適時打で2点目を奪うも、一走が好返球に刺され万事休す。終わってみれば明徳義塾が7回コールドで2年連続17度目の大会決勝戦進出と同時に、2年連続20度目のセンバツ出場権獲得をより確実なものとしている。

 好角家レベルの相撲知識を有する馬淵 史郎監督がもしこの試合を端的に表現するならば「左四つからの押し出し」といったところか。大型力士も小兵もバランスよく仕事を果たした「ちからびと」たちは、千秋楽結びの一番で横綱相撲での優勝旗獲得を目指す。

(取材=寺下 友徳