小松、あと3回の甲子園に賭ける1年生の一発で初センバツに王手!



4回裏小松同点2ランを放った6番・谷頭寿一(背番号7・1年・左翼手)を迎える小松ベンチ

 まず敗れた藤井学園寒川について。最後は「3点ともエラーが絡んだ自滅で負けてしまった」(香川 智彦監督)が、2回表は相手投手の暴投を誘い先制。続く3回表もこの試合で3安打を放った3番・市川 航都(2年主将・遊撃手・右投左打・春日井ボーイズ<愛知>出身)の左翼線二塁打を犠打・犠飛で迎え入れ2点を先制。試合の序盤は完全に主導権を握っていた。

 かつ、このリードを軟投派左腕・松岡 敏喜(1年・左投左打・174センチ64キロ・京丹後ボーイズ<京都>出身)と二塁送球1秒9台の強肩捕手・青木 一真(2年・右投右打・173センチ80キロ・京都ヤングフレンド<京都>出身)のバッテリーを中心に守ろうとする明確な戦い方は11年ぶりに秋の香川県頂点を獲得したことが十二分に頷けるもの。「取れる得点を取れず、取れるアウトも取れなかった」(市川)反省をどう糧にするかが、夏に6年ぶり3度目の甲子園出場を果たすための大きなキーとなるだろう。

 逆に言えばそんな藤井学園寒川の必勝パターンを打ち破り逆転勝ち。初の大会ベスト4まで駆け上がった小松は見事の一語であろう。そんな彼らの大きな原動力となったのは3名。

 「投球練習を受けてストライクが入る方を選択して」好リードに加え6回裏には流し打ちでの決勝打も放った8番・森井 陸(2年・右投右打・176センチ70キロ・神戸甲南ボーイズ<兵庫>出身)に「前日の鳴門渦潮戦では9回二死走者なしから2点を採られたので、この試合ではいっそう気を引き締めて臨んだ」結果、ストレートで最速140キロ・決め球のスライダーも低めに集まり、5回84球5安打5奪三振2四死球無失点リリーフを演じた古本 裕大(2年・右投右打・178センチ73キロ・今治市立大島中出身)。そして最も殊勲功だったのはこの「1年生」だった。

 4回裏に同点2ランを放った6番・谷頭 寿一(左翼手・右投右打・167センチ75キロ・東広島ボーイズ<広島>出身)。「インサイドアウトで振ることを意識して」風のアゲインストにも乗せて放った起死回生の一打は、これまで藤井学園寒川にあった流れを一気に引き寄せるものだった。

 そんな谷頭、残された甲子園のチャンスは通常の1年生と異なり残り3回しかない。実は彼は一度、広陵(広島)に入学も昨年10月に無念の中退。「野球を再びしたいと思っていたところで小松に声をかけてもらって」今年4月に再度1年生として小松の門を叩いているからだ。

 となれば、愛媛県大会では苦杯をなめた聖カタリナ学園との一戦は小松にとっても谷頭自身にとっても初センバツへの大一番。「1000倍返し」を果たすには、やはり「次の試合に賭けている」谷頭の活躍が欠かせない。

(文=寺下 友徳