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- 2020年秋の大会 第73回秋季東海地区高等学校野球大会
- 中京大中京vs県立岐阜商
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県立岐阜商 | 5 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | ||||||
中京大中京 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 3 | 1× | 7 |
県立岐阜商:松野匠馬、大島成憧、松野、野崎慎裕―高木翔斗
中京大中京:柴田青、松田新叶、畔柳亨丞―西川鷹晴、加藤優翔
本塁打:加藤優翔(中)
二塁打:後藤耀介、梅村豪(岐)
最大6点差を追いついた中京大中京がサヨナラ勝ちで2年連続優勝

締めのマウンドで好投を見せた中京大中京・畔柳亨丞君
昨年と同じ対戦カードとなった今秋の東海地区大会決勝。戦前の予想からも、ある程度は予想されていた対戦でもあったが、ここ2年間の両校の安定したチーム力を示しているとも言えよう。ただ、それが、今年は新型コロナウイルスの影響で全国の舞台でその戦いぶりを見せられなかったことが残念でならない。そんな思いも背負っての、今大会である。
昨秋のこの大会では追い上げながらも届かなかった県立岐阜商。今年は何としてもまずは東海チャンピオンになるということに執念を燃やす。その思いが結実したか、相手し死球や失策、暴投などにも乗じて松野君の犠飛や8番・後藤君の左越二塁打や湊君の左前打などで初回にいきなり5点をもぎ取った。中京大中京といえども、さすがにいきなり5点のビハインドは重い。しかも、失策、暴投、四死球、失策と悪い流れで空気も悪い。そんなベンチの状況を示すかのように3回までは無安打で出した走者は四球の1人のみ。
そして県立岐阜商は4回にも二塁打で出た梅村君を山本君が人工芝に叩きつける一打で二塁手の横を抜いて帰して6点差となった。
この試合は当初から継投でいろいろな投手に経験をさせたいという思いもあった県立岐阜商の鍛治舎巧監督は、4回から9番をつけた松野君を右翼に下げて、2人目として大島君を送り出した。その代わり端に中京大中京は杉浦君がチーム初安打。さらに四球と送球ミスもあって1点が入る。さらにバントで一死二、三塁として代打上野君の中犠飛で中京大中京はこの回2点を返した。
そして、5回には再びマウンドに戻ってきた松野君に対して代打・加藤君が会心の一打で左翼スタンド上段への本塁打を放つ。ソロホーマーだったが、これで中京大中京ベンチは活気づいた。高橋源一郎監督も、試合中は常にベンチで、「諦めなければ追いつける。繋いでいこう」ということを口にしていたという。
逃げ切りたい県立岐阜商は7回からはエースの野崎君を投入。前日は岐阜第一を完封しており、連投となった野崎君に対して中京大中京は8回一気に攻めてついに同点とする。
この回3番からの中京大中京、桑垣君が内野安打で出ると、原君とのエンドランが決まって一気に二、三塁。続く辻君は右前へはじき返して二人を帰し1点差。さらにバントで進め、死球後加藤君が中前へ同点タイムリー。ついに中京大中京が追いついた。
振り出しに戻った試合は、9回から中京大中京も前日三重を完封した畔柳君を送り出した。畔柳君は3人でピシャリと抑えて、1番からとなる味方の攻撃を待つ。
細江君は倒れたが、杉浦君はよく見て四球で出塁。桑垣君が追い込まれながらもしぶとく一、二塁間を破って一、三塁。まさに、「繋いでいこう」というベンチの声を反映した形となった。ここで県立岐阜商ベンチは原君を申告敬遠。満塁となって5番・辻君。辻君は、カウント2-2から「球に逆らわずに、最短でバットを出していって鋭く振っていこう」という意識通りに左前へはじき返してサヨナラ打となった。辻君は8回に同点に追い上げるタイムリーと、この決勝サヨナラ打を放って大活躍だった。「0対6になっても、1点入ればベンチのムードは変わっていくと思っていた」と、ベンチの雰囲気を語っていた。
勝負強さを見せつけた中京大中京。高橋監督は、「先輩たちの背中を見てきた選手たちが、公式戦をこなしていく中で一つずつ確実に成長している。ことに、勝ちを重ねていくことで、精神的に強くなってきた」と、大会を通じて選手たちの成長を認めていた。
これで、中京大中京は秋季東海地区大会2年連続優勝となった。この秋は、名古屋地区二次トーナメントでは初戦で敗退しており、その負けを一つのバネとして、県大会はノーシードから上がっていった。そうした中で勝負強さ、粘り強さを選手たちが身に着けていったとも言えよう。
まだまだ、発展途上ですが、選手たちに自信が出てきたことだけは確かです」。高橋監督の言葉も力強かった。
6点リードを守り切れなかった県立岐阜商。鍛治舎監督は、「6点は取ってリードしたんですけれども、その後にバントの失敗など小技のミスが続いた。あと1点を取れていれば…。また違った展開になったんでしょうけれども、詰めが甘かったですね」と悔しがった。それでも、「次(中京大中京と)当たったら、必ず借りを返したい。それだけの力を冬の間につけていかせる」と強気に締めくくっていた。
(取材・写真=手束 仁)
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県立岐阜商 | 5 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | ||||||
中京大中京 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 3 | 1× | 7 |
県立岐阜商:松野匠馬、大島成憧、松野、野崎慎裕―高木翔斗
中京大中京:柴田青、松田新叶、畔柳亨丞―西川鷹晴、加藤優翔
本塁打:加藤優翔(中)
二塁打:後藤耀介、梅村豪(岐)
応援メッセージ (4)
- 県立岐阜商頑張りました。今井裕 2020.11.01
- 県岐阜商さん、良く頑張りました。敗けはじしたが、きっとこの敗けは、来年の選抜と、夏の選手権に生きてくるはずです。
この冬に徹底的に鍛えて、来年の全国大会で暴れて下さい。お疲れ様でした。中京大中京も頑張って下さい。
- 中京大中京愛知県中京大中京高校優勝さっちゃん藤本 2020.11.01
- 5番辻一汰君左適時サヨナラV
- 県立岐阜商甲子園。今井裕 2020.11.01
- 県岐阜商残念でしたね。
この悔しさを、来年の選抜大会で、
大いに発揮してほしいです。
- 伝統の一戦昨年同一カード 2020.10.31
- 三重高校相手の準決勝で畔柳を使ってしまった。
甲子園出場がかかった絶対に負けられない大事な戦いを、エースで的確に仕留めたことは大きな成果だった。
決勝は県岐商戦。中京大中京が優位だが、エース温存で仕留められるか。はたまた継投策か。それでもコールドゲームで仕上げて伝説を作るか。