智辯学園が逆転で2年連続のセンバツ当確!

8回裏に2ランを放った山下陽輔(智辯学園)
智辯学園が龍谷大平安を逆転で下し、2年連続のセンバツ出場をほぼ確実にした。
前半は龍谷大平安ペースで試合が進む。1回表に一死から2番・早川 瞬(2年)がレフトスタンドへソロ本塁打を放ち先制点を挙げると、さらに一死二塁から4番・吉田 元(2年)の左前適時打で1点を追加。智辯学園のエース・西村 王雅(2年)の立ち上がりを攻めることに成功した。
初回こそ不安定な投球を見せた西村だが、2回以降は変化球が冴え、龍谷大平安に追加点を与えない。対する龍谷大平安先発の石田 琉稀(2年)は毎回のように得点圏に走者を背負うが、要所を締める投球で5回まで1失点と粘り強い投球を見せる。
試合の流れが動いたのは6回。龍谷大平安は一死二塁のチャンスを行かせず無得点に終わると、その裏に一死から遊撃手・吉田の失策で出塁を許し、盗塁で二塁に進まれる。ここで智辯学園は8番・竹村 日向(2年)が左中間に適時二塁打を放ち、同点に追いついた。
これで流れは智辯学園に傾く。7回裏には二死一、二塁から6番・三垣 飛馬(2年)がショートとレフトの間にポトリと落ちる適時打を放ち、勝ち越しに成功。8回裏には3番・前川右京の2点適時二塁打や4番・山下 陽輔(2年)の2ラン本塁打などで5点を加え、一気に龍谷大平安を突き放した。
龍谷大平安は9回に6番・松平 大和(2年)の適時打で1点を返すが、それ以上の反撃とはならず、智辯学園が勝利。2年連続で秋の近畿大会4強入りを決めた。
完投勝利を収めた西村の父・基治さんは平安のOBで、1990年夏に2年生エースとして甲子園のマウンドに立っている。父親としては複雑な心境だったかもしれないが、試合前には「絶対に勝て」と息子にエールを送っていたそうだ。
少年時代に憧れたユニフォームを目の当たりにして、「雰囲気がありますし、怖さがありました」と話したが、この日も度胸満点のピッチングは健在。甲子園がかかった大一番で実力を発揮した。
敗れた龍谷大平安は来春のセンバツ出場が微妙な立場となった。1位で京都大会を通過したが、5点差での敗戦はマイナスポイントか。後半まで接戦を繰り広げた戦いぶりがどう評価されるだろうか。
(取材=馬場 遼)