厳しい環境ながら、今やれることをやっていきながらの交流試合



東京実・十鳥真乙君

 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない状況ではあるが、高校野球の現場では、そんな環境でも、それぞれが感染拡大防止に細心の注意を払いながら、「今の自分たちでやれることをやっていこう」という姿勢を貫いている。

 神奈川県の横浜隼人も、可能な限り、練習試合を組んでいこうという姿勢で今月いっぱいの週末は原則的には例年通りの対外試合や遠征を組んでいる。この日は、東京実滑川総合を迎えての変則ダブルとなった。

 東京実は、4番に入っている十鳥(とっとり)君が初回に目の覚めるような本塁打を放って度肝を抜いた。山下秀徳監督は、「ツボにはまれば、(スタンドに)運んでいく力はある子なんですけども、実は意外と足もあるんです」と評価するが、先発投手として投げた1試合目は、自身の本塁打の後だったのだが、制球が落ち着かず結局、打者11人に対して1回1/3で4四球3安打で自責点は6という内容で左翼へ下がった。東京実は山下監督が、「そんなこともあるかと思って、早くから準備はさせておいた」という秋季都大会でも1番をつけていた加藤君が投げたが、勢いづいた横浜隼人打線は、さらに齋藤星太君や上本君がタイムリー打を放った。

 滑川総合(当時滑川)は第80回記念大会の1998年夏に甲子園初出場を果たしているが、実は現状ではこれが埼玉県からの公立校の最後の出場となっている。埼玉県は上尾熊谷商などを中心に、久しく公立優勢時代が続いていたが、90年代から浦和学院春日部共栄の私学勢が躍進。その後は浦和学院花咲徳栄時代に聖望学園なども絡んでいつしか公立勢は置いていかれてしまっている。そんな中で、滑川総合の戸川智文監督は、「何とかしていきたいんで、いろんなことを工夫して試しながらやっています」と言うが、現在1年生22人、2年生27人で、マネージャーが2人という布陣でチームの活気はある。