強打の智辯和歌山を封じた尽誠学園が勝利を掴む!



尽誠学園先発・村上 侑希斗 ※2020年8月11日の香川県独自大会より

 毎年強力打線を作りあげて甲子園に臨んでくる智辯和歌山。今年はチーム打率.366という成績を残しているが、エース・小林 樹斗矢田 真那斗など投手層が最大の武器となっている。対する尽誠学園は18年ぶりに選抜の舞台に立ち、今夏の独自大会でも優勝をしてきて勢いに乗っている。

 その勢いに智辯和歌山は初回から受け身になってしまう。
 先発の大林 優平が5番・川上 珠嵐のタイムリーでリードをもらった状態でマウンドに上がるも、尽誠学園の1番・菊地 柚のヒットからピンチを招き、二死三塁から4番・仲村 光陽のタイムリーから同点を許した。

 さらに続く2回には6番・村上 侑希斗のヒットを皮切りに1番・菊地と3番・福井 駿のタイムリーで一挙5失点。苦しい試合展開となった。

 点差を縮めようと攻撃陣も力を入れるが、尽誠学園投手陣が上手だった。
 先発の村上はノーワインドアップからスタートしていき、足を上げた際の少し捻ってあげることで軸足にタメを作っていく。そこからゆっくりと重心移動するが、身体の右半分でしっかりと壁をつくってあげることで力を逃がすことなく着地まで動かしていく。

 そこから一気に回転させて左腕をスリークォーター気味の高さから振り抜く。秋までは136キロをマークしていたストレートは最速140キロを超えるが、変化球との球速差も付けながら安定したボールを投げていく。

 この球速アップについては「元々インステップする癖があったことを矯正したこと。そして重心をしっかり軸足から、踏み出す足に乗せるようにフォームを修正しました」とのこと。それが結果として村上の投球を飛躍させた。

 試合はその後、尽誠学園が4回に2点を追加して8対1で折り返し。後半は両チームに得点が入らずそのままゲームセット。智辯和歌山は9回までで9本のヒットを放ったが、残塁10で1得点という結果に封じ込められ、尽誠学園が勝利を掴んだ。

 終盤にマウンドに上がった注目右腕・小林 樹斗は「点差がここまで開いたのが予想外でした。自分はしっかり流れを呼び寄せられるように投げましたが、結果に繋がらず悔しいです」とコメント。一方で智辯和歌山から勝利を掴んだことで、「今後の自分の成長、力の糧になると思います」と村上は力強く語った。

 両チームの公式戦はこれで終了し、新チームに切り替わるが、今回の経験をしっかりと胸に刻んで、新たな一歩を踏み出して欲しい。

(取材=田中 裕毅)