帯広農が全国での初勝利掴む!健大高崎はエース・井村塁を攻略できず



井村塁 ※2019年10月12日の秋季全道大会より

 昨秋の神宮大会で準優勝を果たした健大高崎。対するは21世紀枠として初めて選抜に出場した帯広農。昨秋見せた攻撃力と自慢の投手力に注目が集まったが、帯広農の果敢な攻めに苦戦を強いられた。

 2回に5番・水上 流暢の四球から帯広農がチャンスをつかむと、9番・谷口 純也が一二塁間を破るタイムリーで帯広農に先手を打たれた。それでも直後の攻撃で8番・戸丸 秦吾の二塁打で健大高崎が1点を返したが、帯広農も3回に2番・佐伯 柊から追加点のチャンスを作って、4番・前田 愛都のスクイズで3点目を奪い返され、主導権を奪えない。

 さらに主導権をとれなかったことで大きかったのがエース・井村 塁の好投だ。ストレートをはじめ、ダルビッシュ 有の握りを参考にアレンジを加えた110キロ台の自慢のスライダーやフォークが外角へ丁寧に投げる。低めにボールが集まることに加えて、緩急を利かせる打たせて取る投球が光った。

 これによって健大高崎が気持ちよくスイングができず、各打者の打球は野手の正面をつく。その打球を帯広農の野手陣が要所を締める堅守で、井村の好投に応えられた。

 さらに健大高崎は打線が繋がらないだけではなく、加えて走塁ミスが所々出てしまうことで、なかなか流れを引き寄せられない。

 すると、5回に帯広農は9番・谷口のヒットから再びピンチを招くと、2番・佐伯のセンターへのタイムリーで4点目と中押しを許した。

 3点差となった健大高崎だが、後半もなかなかチャンスを作ることが出来ずに帯広農ペースが続く。すると、そのまま帯広農は7回から継投策で水上をマウンドに送り、健大高崎は反撃ができずゲームセット。帯広農健大高崎を4対1で下して全国の舞台で初勝利を掴んだ。

 劇的な結果となったが、健大高崎の先発・下 慎之介は「相手は死に物狂いで来ると思いましたが、自分たちが気持ちで勝れなかった」と反省の一言。最後の試合で有終の美を飾ることが出来ず、悔しい結果に終わった。

 その一方で帯広農は全国で初勝利を掴み、新たな歴史の1ページを刻むこととなった。それと同時に戦い方1つで全国区の強豪とも互角以上の戦いを出来ることを証明した一戦だった。

(取材=田中 裕毅)