強力な花咲徳栄打線を1失点に抑えた吉川大の変幻自在なピッチング



吉川大(山梨学院)

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 10月21日、秋季関東大会準々決勝。敷島球場で行われた第1試合、花咲徳栄vs山梨学院の一戦は山梨学院が2対1で勝利し、2年連続秋季関東大会ベスト4入りを決めた。

 1回戦ではお互い強打を発揮して勝ち上がった山梨学院花咲徳栄の一戦。試合は、1点を争う好勝負となった。ロースコアの接戦になったのは、両投手の投球が大きい。

 まず強力な花咲徳栄打線を抑えた山梨学院吉川 大はどんな投手なのか。吉川は最速127キロの技巧派左腕。ほとんどが120キロ台。だが、内外角へのコントロールが安定しており、110キロ台のスライダー、90キロ前後のカーブ、100キロ台のチェンジアップを丁寧に投げ分ける。右打者にはチェンジアップ、左打者にはカーブを低めに集める。いろいろな方向に曲げられてストライクが取れる左投手は強い。

 吉川が素晴らしかったのは1点を失ってからも自分のピッチングスタイルを貫けたこと。特に4番・井上朋也に対しての攻めは素晴らしいものがあった。

 第1打席から内角へ鋭く突き、ファールで何度も粘られながらも意地でも低めに投げ続け、三ゴロに打ち取ると、第2打席はコーナーぎりぎりにストライクを稼いだ後はチェンジアップで空振り三振を奪うなど、井上のタイミングを狂わせ無安打に抑えることに成功した。

 一方、花咲徳栄の先発・高森 陽生も好投。コンパクトなテークバックから繰り出す速球は常時130キロ前半~136キロと回転がかかった切れの用ストれ0とを投げており、コントロールも安定しており、さすがと思わせる投球内容だった。

 勝負はまさに紙一重。5回裏、3番・小吹 悠人は右中間を破る適時三塁打で勝ち越しに成功した。小吹は第4打席も中前安打。夏に比べて打球を捉える形が良くなっており、ミート力も高くなった。守備も大型選手としては軽快で、バウンドの合わせ方もうまく、強肩。来年はドラフト候補として見ていいだろう。

 花咲徳栄打線は吉川の術中にはまってしまい、持ち味を発揮できなかった。スラッガー・井上朋也を中心に能力の高い選手は多くいる。守備のレベルも高い。思うような試合運びができないとき、それを打破できる攻撃ができることが課題だろう。花咲徳栄は先行できたときは一気に試合を決めてしまうが、膠着状態になるとなかなか力を発揮できない傾向にある。その欠点を克服できるか注目したい。

(文・=河嶋 宗一

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