2019年09月30日 水戸市民球場

関東一vs明石商

2019年 第74回国民体育大会 いきいき茨城ゆめ国体 2回戦
印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

不調でも崩れない土屋大和の観察力 明石商を完封でベスト4進出



野口洋介(関東一)

 第1試合で夏の甲子園ベスト4の明石商と、ベスト8の関東一が激突した国体二日目の第1試合。試合前の予想通り、非常にハイレベルな戦いとなった。

 まず魅せたのは関東一のキャッチャー・野口 洋介とセンターの大久保 翔太だ。
 明石商には日本代表捕手の水上 桂がいたが、野口も水上劣らない強肩を見せつけた。1回に明石商の1番・重宮 涼がいきなり盗塁を仕掛けると、野口は焦ることなく素早い握り替えからピンポイントでの送球で刺殺。
 自分も負けていないと言わんばかりの、見事な送球であった。

 また俊足が持ち味の大久保も、守備で存在感を見せた。
 2番・水上がセンターへの大飛球を放つと、大久保はこの辺りを背面でのランニングキャッチ。守備範囲の広さ、そしてバランス感覚の良さを存分に見せつけたプレーであった。

 だが、そんな二人を差し置いて、この試合で主役に躍り出たのはエースの土屋 大和であった。
 「本調子ではなく、体力面で不安がありました。正直(明石商打線に)ビビりながら投げてましたね」

 試合後に、冗談を交えながら試合中の心境を明かした土屋。だが、そんな言葉とは裏腹に、投球内容は非常に緻密で戦略的なものであった。
 この試合で効果的に決まったのはツーシーム。その配球の意図について、土屋は次のように話した。



土屋大和(関東一)

 「チェンジアップが抜けていて狙われている感じがしたので、(捕手の)野口と話してツーシームを多めに投げました。明石商は狙い球をしっかり絞って、徹底されているなと感じました」

 土屋の好投で徐々に流れを掴んだ関東一は、中盤から一気に点差を広げ始める。
4回裏に4番・平泉 遼馬のソロホームランで先制点を挙げると、5回裏にもランナーを二人置いた場面で、2番・藤松 丈一郎 が右中間スタンドへスリーランホームランを放つ。
 二本の本塁打で、関東一が主導権を握った。

 「体力面に不安があった」と語った土屋であったが、後半になってもバテる素振りは全く見せずに明石商打線を翻弄。試合は5対0で関東一が勝利した。

 敗れた明石商は、先発の中森が「秋季大会に向けた調整」のため先発登板したが、後続の投手が関東一を抑えることができなかった。
 これで3年生はすべての公式戦が終了となったが、先発の中森をはじめとする1、2年生の選手たちは選抜甲子園を目指して秋季大会を戦うことになる。現在は準決勝まで勝ち上がっており、10月5日に神戸国際大附と対戦予定だ。
 3季連続の甲子園出場を果たすか注目だ。

(文=栗崎 祐太朗)

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
1軍定着への足掛かりとなるか?広島・中村祐太(関東一)が先発のマウンドへ 【ニュース - 高校野球関連】
関東一、帝京、都立小山台の注目選手を一挙紹介!一次予選で発見した逸材たち<選手名鑑・新規登録リスト> 【ニュース - 高校野球関連】
第264回 ノーヒットノーラン達成した市川祐(関東一)が同世代の投手より頭1つ抜けたコントロールと投球術を分析!【ドラフト特集コラム】
関東一vs都立新宿【東京都 2020年秋の大会 東京都大会 一次予選】
第1016回 都立城東vs都立日野など初戦から好カード揃い!秋季東京都大会一次予選の注目ポイント!【大会展望・総括コラム】
明石商vs桐生第一【2020年甲子園高校野球交流試合】
第131回 関東一野球の象徴だった渡邉貴斗主将 将来は体育教員を目指す【高校野球コラム】
帝京vs関東一【東京都 2020年夏季東西東京都高等学校野球大会 東東京大会】
関東一vs大森学園【東京都 2020年夏季東西東京都高等学校野球大会 東東京大会】
関東一vs都立城東【東京都 2020年夏季東西東京都高等学校野球大会 東東京大会】
第1029回 昨夏甲子園ベスト8から1年。どんな時でも「関東一野球」は生き続けている【野球部訪問】
第1224回 右打者として歴代でもトップクラス。高校通算23本塁打・重政拓夢(関東一)が目指すは東京王者 【2020年インタビュー】
第1225回 投手本格専念は高校から。関東一の最速137キロ左腕・今村拓哉の決意「自分の個性を発揮したい」 【2020年インタビュー】
第1012回 【東東京大会展望】シード校・堀越のブロックが最激戦区に!東東京は今年も熱い!【大会展望・総括コラム】
第1142回 秋に台頭した報徳学園の核弾頭・三宅雄雅 覚醒の秘訣は「ツイスト打法」の習得 【2020年インタビュー】
第1118回 報徳学園のエース・坂口翔颯が目指す「圧倒」する投球。スケールと制球力を高めて夏こそ聖地へ 【2020年インタビュー】
第1105回 進学志望から一転。明石商の名捕手・水上桂(東北楽天)の野球人生を変えた日本代表の経験【後編】 【2020年インタビュー】
明石商 【高校別データ】
関東一 【高校別データ】

応援メッセージを投稿する

試合記事トップに戻る サイトトップに戻る