兵庫県選抜、最大8点差を追いつき、収穫のある引き分けに!

1番に座った来田涼斗(明石商)
今年、兵庫高野連は選抜チームを組み、12月22日から12月27日にかけて台湾遠征をおこなう。7日、兵庫県選抜は高砂球場で、関西国際大と練習試合を行い、8対8の引き分けとなった。
まず先発マウンドに登ったのが東田 健臣(西脇工)。左腕ながら140キロを超え、今年の兵庫県を代表する左腕だったが、2回まで8失点を喫し嫌な流れに。東田は左腕から常時130キロ前半・最速136キロの直球、120キロ前半のスライダーを中心に投げ分けて勝負にいったが、甘い球がことごとく打ち返された。東田にとっては悔しい経験になったが、この経験はレベルアップするためにはよい経験だったといえるだろう。
8点差をつけられ、木製バットでの実戦が慣れていない高校生では厳しい試合展開だったが、兵庫県選抜の打撃陣が素晴らしかった。4回裏、5番・浅川 駿斗(神戸国際大附)、7番・柴田 大成(神戸国際大附)の適時打、8番・河村 利毅(神港学園)の適時打、1番来田 涼斗(明石商)の犠飛で4点を返し、さらに7回裏も5番浅川の適時打で5点目。
8回表、エース・中森 俊介(明石商)が登板。中森はいきなり2三振を奪うと、その裏、9番・上林 直輝(神戸弘陵)の安打、1番・来田の死球でチャンスを広げ、代打・坂口 翔颯(報徳学園)が左中間を破る適時二塁打で2点を返す。坂口は報徳学園のエースだが、この二塁打は兵庫県選抜の選手の中では最も鋭い当たりで、ベンチにいる選手たちも驚きの表情を見せていた。さらに3番・笠松 拓真(神戸国際大附)のレフト前ポテンヒットでついに同点に追いつく。
そして9回表、中森は三者連続三振を奪う投球。最速148キロの速球と切れ味鋭い変化球を武器にする中森の前に、好投手・東田を打ち込んだ関西国際大打線も手も足も出なかった。
9回裏、関西国際大の投手陣を攻略できず、8対8の引き分けで試合を終えた。
本格的にチームを組んだのは数週間前から。ほぼ全員が130キロ以上、130キロ後半を超える投手も登板した関西国際大相手にこの打撃は素晴らしい。 その理由は、選抜チームを組まれる前から、チームとして木製バットの練習に取り組んでいるという。報徳学園、神戸国際大附、明石商の3チームの選手からは普段から取り組んでいるので、木製バットに対しての違和感はなく、あとは実戦で投手と対戦した時にどう合わせるかを調整するだけだった。ただ打撃はその調整が困難なのだが、多くの選手がインパクトまで素直にバットが出ていて技術力の高さを実感させてくれた。
台湾遠征までの練習試合は残り1試合。1週間の練習でどこまで成長できるか注目が集まる。
【投手】
坂口 翔颯(報徳学園)
野島 勇太(神戸弘陵)
石澤 拓大(育英)
中森 俊介(明石商)
東田 健臣(西脇工)
山本 颯真(赤穂)
【捕手】
上林 直輝(神戸弘陵)
竜波 駿平(長田)
【内野手】
太田 薫(市立西宮)
足立 達希(報徳学園)
河村 利毅(神港学園)
笠松 拓真(神戸国際大附)
柴田 大成(神戸国際大附)
植本 拓哉(明石商)
【外野手】
三宅 雄雅(報徳学園)
浅川 駿斗(神戸国際大附)
来田 涼斗(明石商)
前田 衡(市川)
(取材・写真=河嶋 宗一)