2019年09月02日 Dream Ballpark Ⅱ

侍ジャパンU-18代表vs台湾代表

2019年 第29回 WBSC U-18 ワールドカップ Bグループ リーグ戦
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スカウト部長・河嶋宗一の目が光る!全国逸材発掘レポート

今年のチームのウィークポイントが浮き彫りとなったチャイニーズタイペイ戦



唯一、2安打を放った石川昂弥(東邦)

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1回からの試合の振り返りはこちらから
試合を打ち切る無情の雨 雨天コールドで日本が初の黒星を喫する【チャイニーズタイペイ戦】

 朝から釜山広域市内に振り続く雨によりデーゲーム4試合が中止。必死のグラウンド整備で18時に試合が開催できたが、1対1で迎えた5回裏、チャイニーズタイペイの強打の3番・羅暐捷の適時二塁打を許し、2点を勝ち越され、1対3とリード。5回裏直後、雨が強くなり、試合が中断。試合再開まで時間がかかる判断により、雨天コールド負けに終わった。

 雨、判定など不運に泣かされたところはあったが、コントロールできないところを悔やんでも仕方ない。大事なのは防げるミス、戦術ミスはなかったか。1個1個整理することが大事だ。

 まず打撃面から。チャイニーズタイペイの先発は王彥程の投球の前にまたしても苦しんだ。
 昨年のアジア大会では9回」1失点に抑え込まれた本格派左腕である。今年は東北楽天の育成選手としての入団も決まった。侍ジャパンU-18代表も二度も同じ投手には負けられない。

 1回表、一死から2番武岡 龍世は四球。さらに二死から盗塁を仕掛け、二塁を陥れたところで4番石川 昂弥の左前適時打で1点を先制する。幸先よく先制したかに見えたが、2回以降、王彥程は立ち直り、130キロ中盤の速球とチェンジアップのコンビネーションの前になかなか1点が奪えない。侍ジャパンU-18代表の狙いは当初、変化球を続けて攻める傾向があるので、その変化球を狙うようにしたが、この試合では直球攻めが多かったので、直球を狙わせたが、それでもとらえきれず。安打を放ったのは、今大会打撃好調で、左腕相手に苦手意識もなかった右打者・石川の2本だけ。王はストレートのスピードが135キロ前後と好調時と比べれば、5キロ以上も遅く、絶好調ではない。

 侍ジャパンU-18代表の打者、首脳陣に話を聞くと、全く打てない投手だとは思っておらず、6回以降ならば捉えるチャンスはあると思っていた。永田監督は5回裏に西を投入し、6回以降に勝負を仕掛ける形だったと語っており、この中止に残念がっていた。

 続いて守備面。まずミス連発の背景にはいろいろな要素があった。この試合は雨もあって、試合前練習、セレモニーも一切なしで試合に入った。

 しかしグラウンドは人工芝で滑りやすく、さらに土は粘土質で転がった瞬間、泥にまみれたボールは、選手たちが「滑る!」と口をそろえるほど捕りにくく、投げにくい。ただそれはチャイニーズタイペイも同じで、侍ジャパンU‐18代表は2失策に対し、チャイニーズタイペイは無失策。2失策以上に捕球ミスからの内野安打が多かった。1点目を失った場面は挟殺プレーのミスからだった。このワンシーン、あとで映像を何度繰り返してみても、アウト、セーフの判断は人の見方によって分かれるもので、難しい。

 完璧にアウトといえるよう、挟殺プレ―の最善なランナーの追い方、詰め方、タッチの仕方、アピールプレー、あらゆるプレーを確認して次の試合に備えてほしい。

 また今の守備編成は正規のポジションで守っている選手が捕手の山瀬 慎之助星稜)、外野の横山 陽樹、遊撃の熊田 任洋と、2年生まで二塁だった坂下 翔馬智辯学園)のみ。経験が短いと、打球勘、判断力がどうしても長く守っている選手に比べれば、どうしても劣る。そのリスクが分かったうえで、打撃力が高い選手を起用している。

 それが仇となったのが5回裏の長打での2点である。レフト・遠藤 成(東海大相模)の追い方を見ると、やはり正規の外野手と比べると打球の到達が遅い。責任を感じていそうだが、遠藤の打撃がなければ、試合を落としている試合もあり、貢献度はかなり高い選手。スカウトからも木製バットの順応度は高いと評価されているだけに、これからも活躍を見せていきたい。

 永田監督は報道陣からポジションの入れ替えはあるかという問いに対し、「宿舎で考えます」とコメントしたが、パナマ戦でも守備練習なしで試合に入るのが確定しており、試合前の備えがなく、グラウンドの状態をつかめずに入ることになる。

 パナマの野球は粗削りだが、パワフルな打球を飛ばせるプルヒッターが多く、それを踏まえた上での選手起用が大事となる。

 まだまだ試合は続くが、この試合は翌年以降の国際大会の選手起用、選手選考へ検証材料になる大きな試合だった。反省するのは選手たちだけではない。

1回からの試合の振り返りはこちらから
試合を打ち切る無情の雨 雨天コールドで日本が初の黒星を喫する【チャイニーズタイペイ戦】

(文=河嶋 宗一

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