啓新、「徳島県」への感謝を胸にいざ初聖地へ!



啓新の選手たち

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 「これが甲子園でなくてよかったという感じです」。計4試合を終えた後、植松 照智監督が思わず苦笑いを浮かべる。それもそのはず。以下が「センバツ出場チーム・北信越代表大会直前合宿」期間における啓新の練習試合全結果だ。

3月9日(土) vs鳴門(徳島) ●1-6
        vs高知中央(高知)〇11‐3
3月10日(日)川島(徳島)、阿南高専(徳島)戦は雨天中止
3月11日(月)vs生光学園(徳島)●2-5
       vs池田(徳島)●6-7

 通算1勝3敗で負け越し。徳島県勢には3戦全敗。この結果は2011年にスタートし、今回で延べ9校(その他、2017年の高岡商と2018年の富山商は合宿のみで練習試合は行わず)が参加した中で初めての出来事である。とはいえ、啓新が弱かったわけでは決してない。

 この日も生光学園戦では北信越大会準優勝の立役者となった安積 航大(新3年・184センチ75キロ・右投右打・福知山ボーイズ<京都>出身)が先発5回を投げ自己最速140キロ。同じく昨秋はリリーフで存在感を示した右サイドの浦松 巧(新3年・右投右打・175センチ70キロ・若狭高浜ボーイズ)も最速135キロのストレートに新変化球も試し2イニングは完璧に近い内容を示した。

 また、生光学園戦では5盗塁と機動力で魅せ、池田戦では昨秋は公式戦3打席のみの鈴木 聖矢(新3年・左翼手・左投左打・185センチ84キロ・浜松ボーイズ<静岡>出身)が4番で2打数2安打1打点。「このチームからは選手たちでのミーティングを増やした」(植松監督)チーム共通理解の高さも垣間見せている。



生光学園戦2番手・松本 佳貴(新2年)

 それでも啓新が勝利に届かなかったのはひとえに徳島県勢がよく戦ったから。鳴門は昨夏甲子園で花咲徳栄(埼玉)を苦しめた左腕・西野 知輝(新3年)と、最速139キロをマークした竹内 勇輝(新3年)の2本柱リレーで対抗。生光学園は最速135キロの右サイド・松本 佳貴(新2年・178センチ69キロ・右投右打・全播磨ヤング硬式野球団<兵庫>出身)をはじめとする秘密兵器的選手を随所に試しつつ、多彩な走塁戦術で相手守備を崩し、池田は5投手の継投策と各選手の特色を最大限出し切る総力戦で挑んだ。彼らのベンチはセンバツ出場校との対戦機会を通じ、高い壁となりつつ、全てを吸収しようとする姿勢に満ちていた。

 

 もちろん、その想いは彼らへ確実に届いている。キャプテン・3番かつ投手陣をリードする穴水 芳喜(新3年・右投左打・174センチ80キロ・甲府南リトルシニア<山梨>出身)は合宿をこう総括した。
 「鳴門さんとかは自分たちより経験があるのに泥臭くやっていていい経験ができたし、阿南の皆さんは初めてお会いしたのに自分たちのために一生懸命尽くしていただいた。本当に感謝しています」

 植松監督らスタッフと選手たちの目標は「富岡西と一緒に1つでも2つでも勝って、お世話になった皆さんに恩返しをする」。啓新は強化へ全力を尽くしてくれた徳島県への感謝の想いを込め、初聖地での躍動を期す。

(取材=寺下 友徳