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2016年ジャイアンツカップ優勝の湘南ボーイズの中心投手が各校のエースへ成長!

2018.12.18

 ジャイアンツカップ優勝チームの中心選手は強豪校で活躍する定説は今年も健在だった。2015年優勝の羽曳野ボーイズからは多くの選手が強豪校で活躍し、そのうち太田 椋天理)はオリックス1位、山下航汰健大高崎)は巨人育成1位と2人がプロの世界へ進んだ。

 2016年優勝の湘南ボーイズは3人の投手が関東の高校野球をリードする存在となっている。エース・谷村然、左腕・海老原凪、左腕・中村晃太朗の3名だ。

 谷村は桐光学園のエースとして、中村は東海大菅生のエースとして、海老原は二松学舎大附のエースとして活躍を見せている。

2016年のジャイアンツカップを振り返る

2016年ジャイアンツカップ優勝の湘南ボーイズの中心投手が各校のエースへ成長! | 高校野球ドットコム
谷村然(桐光学園)

 まず2016年のジャイアンツカップの活躍を振り返っていこう。8月20日、読売ジャイアンツ球場で初戦を迎えた湘南ボーイズは練馬リトルシニアと対戦。この試合では10対1で勝利し、海老原が3番手としてマウンドに登っている。準々決勝ではフレッシュ佐賀フィールドナインと対戦し、7対6で勝利。この試合では中村が先発し、谷村が3番手としてマウンドに登り、試合を締めている。そして準決勝では佐倉リトルシニアと対戦し、谷村が先発、2番手に中村、5番手に海老原がマウンドに登るというリレーで、7対1で勝利。そして決勝戦の福岡ボーイズ戦では、谷村が先発、2番手に中村が登板するというリレーで、7対1で勝利。見事に優勝を決めたのであった。

 この3人の中で高校入学後に表舞台にいち早く出てきたのがエース右腕・谷村だった。1年秋には関東大会へ出場。初戦で敗れたが、130キロ後半の速球を投げ込んだ。2年春にも関東大会へ出場した。ただ目に見えて球速は伸びておらず、常時130キロ中盤。2年夏は決勝戦敗退、2年秋は慶應義塾打線に打ち込まれ敗退を喫した。179センチ83キロとがっしり体型。投球フォームも下半身主導で動く土台の良い投球フォームである。中学時代から見ている人からすれば、現在の立ち位置、能力について物足りなさを感じていると思うし、それは本人が一番感じているだろう。ぜひ春の県大会ではモノの違いというものを見せてほしい。

2016年ジャイアンツカップ優勝の湘南ボーイズの中心投手が各校のエースへ成長! | 高校野球ドットコム
海老原凪(二松学舎大附)

 海老原は1年夏の甲子園ではベンチ入りを果たし、本格的に主力投手となったのは1年秋から。注目を集めた一次予選・東海大菅生との対決では先発登板。秋、春と登板をして経験を重ねる中で、夏の甲子園の広陵戦では4回途中まで自責点1の力投。好打者揃いの広島広陵打線を粘り強く抑えた姿が印象的だった。

 秋の都大会・都立東大和戦で見せた6回8奪三振のピッチングは印象的だった。常時130キロ前半のストレートは夏に見た時よりも格段に勢いがあり、回転数が高く空振りを奪えるまでに成長。速球、変化球のコントロールも自在でピッチングにおいて全く隙がなかった。課題だった力強さは解消しているように感じた。

[page_break:中村晃太朗は東京代表に選出]

中村晃太朗は東京代表に選出

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中村晃太朗(東海大菅生)

 中村は先発としても活躍するようになったのは2年夏から。夏初戦の都立東村山西戦で先発し、5回無失点の好投を見せ、その後も中継ぎ・先発として力投を見せてきたが、準決勝の日大三戦でわずか1アウトしか取れず、6失点を喫し敗退。その悔しさをばねに実力を磨き上げ、秋はエースとして活躍。

 都大会初登板となった2回戦の桜美林戦では、6回を投げて4失点と課題が残るスタートとなった。

 そして都大会3回戦二松学舎大附東海大菅生が激突。海老原、中村が先発マウンドに登り、「湘南ボーイズ対決」が実現した。中村は「中学の時、同じチームだったから、絶対に負けなくなかった」と闘志を燃やし、投手戦に。試合は二松学舎大附が1点を先制するが、7回裏、東海大菅生が2点を入れて逆転に成功。中村は無四球1失点完投勝利。その後も好投を続け、準優勝に貢献。さらに東京代表に選ばれ、キューバへ遠征する。中村は常時130キロ中盤の速球、スライダー、スプリット、カーブと多彩な球種で勝負する技巧派左腕へ成長。内外角へ出し入れできる投球術は全国レベルといっていいだろう。

 この3人にはぜひさらに成長して、全国レベルの投手になってほしい。そして彼らとともに戦った湘南ボーイズの戦士たちが来春、来夏、躍動することを願っている。

文=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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