2018年11月09日 明治神宮野球場

関西国際大vs中部学院大

2018年 第49回明治神宮野球大会 大学の部 1回戦
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小関順二が徹底分析 ストップウォッチレポート

関西国際大が大量得点で七回コールド勝ち



関西国際大の先発・武次春哉

 中部学院大の先発、若山蒼人(4年)は186センチのアンダーハンドでこの日のストレートの最速は128キロ。この技巧派を関西国際大打線がどのように攻略するのか興味があったが、若山のコントロールが1回から覚束ない。打者を圧倒する速さやキレがないので緻密に高低、内外を突こうとして、却ってコントロールを乱していた。関西国際大は1死後、2、3番が四球、死球で出塁し、2死後に5番尾崎亨四郎(4年)がスライダーを捉えてセンター前にタイムリーヒットを放って1点を先行。さらに一、二塁から6番持田大和(2年)がストレートを捉えてレフト前にタイムリーを放って2点目を挙げた。

 右打者の尾崎がセンター前、左打者の持田がレフト前でわかるように力まず、逆方向にヒットを放っているところに工夫の跡が伺える。2回裏も四球の走者を二塁に置いて左打者の2番有本大世が変化球を捉えてレフトオーバーに二塁打を放ち1点追加。3回も得点にこそ繋がっていないが右打者の4番西川 雄大(4年)が2ボールからの3球目をライト方向に流し打って出塁しているように、この日の関西国際大打線の合言葉は〝逆方向″だった。

 関西国際大の先発、左腕の武次春哉(2年)は164センチの小兵だが、ストレートはコンスタントに140キロ前後を計測し、スライダー、カーブに130キロ程度でキレよく落ちるチェンジアップのような変化球があり、中部学院大打線を翻弄した。ストレートの最速は142キロで特別速くはない。それが奪った6三振はすべて空振り。とくにボール球の高めストレートや低めへの変化球に手を出す打者が目立った。

 注目したのは始動から投げたボールがキャッチャーミットに届くまでの投球タイム。2秒以上なら長い投球タイムで、これは打者の打ち気を外す〝間(ま)″を作れる投球タイムと言えるが、武次のタイムは3秒以上だった。ここに中部学院大各打者のボール球に手を出す心理が読み取れそうである。

 勝負を決定づけたのは、中部学院大のピッチャーが2番手の櫻糀大輝(4年)に代わった4回裏の関西国際大の攻撃だ。1死後、1、2番が連続四球で出塁、2死後には4番西川も四球を選んで満塁になる。ここで打席に入った尾崎は1ボールからの2球目の134キロストレートを狙い打つと打球をレフトスタンドに飛び込むグランドスラム。ストライクがほしい投手心理を読み、逆方向にこだわらず、甘い球を振り抜いた尾崎の思い切りのよさが目立った場面だ。

 7対1で迎えた7回裏には1死走者なしの場面で7番深尾哲平(2年)が右中間にソロホームランを放って関西国際大のコールド勝ちが決まった。北陸・東海三連盟代表決定戦で名城大、皇學館大を完封して勝ち上がった中部学院大のよさがまったく見られず、反対に関西五連盟代表決定戦で4対0、4対2、1対2、3対2という僅差の勝負を繰り広げてきた関西国際大がコールド勝ちするという不思議。全国大会は怖いなと思った。

  

(文=小関 順二

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