2018年09月07日 KIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎

日本vsチャイニーズタイペイ

2018年 第12回 BFA U18アジア選手権 スーパーラウンド
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スカウト部長・河嶋宗一の目が光る!全国逸材発掘レポート

投打ともに精彩を欠いた日本代表。台湾に9年ぶりに敗退



柿木蓮(大阪桐蔭)

 U18など青年世代の国際大会は勝つことも大事だが、1つ1つの試合が将来の成長の糧となる。果たしてこの試合から得るものはあるのか。非常に考えさせられる試合だった。

 チャイニーズタイペイの先発・王彥程は中国戦でもリリーフしていた142キロ左腕。永田監督は「中国戦の映像を見てこの投手が来るものだと思いました」と語るように左投手に備えての準備を行った。

 日本ベンチの見方としては韓国の左腕・キムギフンより攻略はたやすい。そういう見方だった。

 だが王は中国戦よりも良かった。ゆったりと右足を上げていきながら、インステップ気味に踏み込んでいきながら、勢いよく投げ込んでいく左腕で、常時140キロ~143キロの速球をどんどん投げ込んでいく。速球の勢いは中国戦以上で、125キロ前後のスライダーの切れもよい、1回表、三者凡退に終わったが、制球は粗い。しかし日本はなかなか1本が出ない。

 日本の先発は柿木 蓮大阪桐蔭)。韓国戦に続いて連投である。負けられない戦いなので、永田監督は「スクランブル体制」と説明した。だが柿木はブルペンから良くない。その柿木はマウンドに登っても変わらなかった。2回裏、4番李逸達の遊撃内野安打。犠打で一死二塁となって、6番林軒逸が甘く入ったスライダーを逃さず左前適時打を放ち1点を先制。さらに7番戴培峰が右前安打。一塁走者は三塁を狙ったが、ライト・根尾 昂大阪桐蔭)が素晴らしい返球を見せ、アウト。一、三塁になるピンチを見事に防いだ。

 日本は王相手に3回まで無安打だったが、4回表、小園 海斗報徳学園)がセーフティバントで出塁し、一死一塁から4番野尻 幸輝木更津総合)が右中間を破る二塁打を放ち、一死二、三塁から5番中川 卓也大阪桐蔭)の犠飛で同点に追いつく。

 4回裏、日本ベンチは調子が悪かった柿木に代えて、吉田 輝星金足農)を投入。もちろんスクランブル体制という意図で、中1日を置いての登板である。

 だが今日の吉田。最速148キロを出したものの、ほとんど130キロ後半~140キロ前半で、ぐっと伸び上がるようなストレートはない。上半身が先行して動く形となっている。いつものように下半身が先行して、ゆったりとした間で投げることができていない。そのため押し出すような投げ方となり、生きたボールがいかない。台湾打線はそれを見逃してくれなかった。

 いきなりヒットで出塁を許すと、その傾向が顕著に。二死一、二塁のチャンスから8番曾傳昇の左前適時打、9番郭天信が自慢の俊足を生かした三塁へのセーフティバント。3対1と2点差をつけた

 この2点が日本代表に重くのしかかる。劣勢時こそじっくりと攻めていくのが定石だが、早打ち早打ちで、なんと7回まで76球。王を気持ちよく投げさせていた。

 王は回を重ねるごとに甘い球は来ている、ボールの勢いはない。日本の打者はそれを感じ取っていたが、具体策はない。選手たちは仕留めきれなかった「技術不足」というが、なぜそれができなかったのか。その具体策が出ないまま9回まで進んだ。

 王は9回表もマウンドに登り、三者凡退。
1対3。
 二大会連続のアジア制覇はなくなった。

 韓国には2年連続で敗戦、台湾には2009年の第8回AAAアジア野球選手権大会以来の敗戦。韓国には投打で圧倒され、台湾にはベンチワークの差で負けた。この敗戦はしっかりと受け止めないといけないだろう。

 日本の野球は後がなくなると主力投手をつぎ込ませる戦法をとることが多い。去年は田浦 文丸、今年は吉田 輝星。敗れてしまうと残るものは何もない。将来的な素質はプロのローテーションに入っていてもおかしくない吉田 輝星に責任を負わせる形にしたのは、高校球児育成のために考えていかなければならない問題だ。

 18人はアジア制覇だけではなく、それぞれ自分を高めたい思いを持って宮崎に来ている。残り2試合はその意味を見出し、将来につながる2試合になることを期待したい。

(記事=河嶋 宗一

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