日大三・井上広輝 復活を印象付ける3回無安打4K&150キロ!7年ぶりのベスト16入り!


 日大三が目指すは全国制覇。そのカギとなる選手は最速147キロ右腕・井上 広輝(2年)だ。その井上が奈良大附戦で先発登板した。井上は春の準決勝で肘を痛めて、途中降板した後、この試合まで練習試合の登板さえもなかった。実戦復帰初登板が甲子園で実現したのだ。

 その井上を援護すべく、打線は1回表からチャンスを作り、5番中村 奎太(3年)が右中間を破る適時二塁打で2点を先制した。

 そして久々に復帰した井上は完全復活と呼べるような内容だった。2011年夏の甲子園優勝投手・吉永 健太朗(現・JR東日本)を彷彿とさせる投球フォームから繰り出すストレートは、常時140キロ~146キロを計測。選抜以上のストレートを投げ込んでおり、ケガをして投げられない時期に、しっかりとトレーニングをして、体を大きくしてきたのがうかがえる。

 井上は2回裏に最速150キロを計測。井上はただ速いだけではなく、コマンド力、変化球の精度、修正力が高いのも魅力。3回裏はストレートのスピードを140キロ前半に落とし、コントロール重視のピッチング。さらに130キロ前後の縦スライダーも低めに決まり、3回まで投げて、無安打、4奪三振の快投。奈良大会、甲子園でも猛威を振るった奈良大附打線の打者は太刀打ちできず、これまでの試合ではほとんどなかった振り遅れのファールが頻発。その後は、奈良大附は4点を取るのだから、どれだけ井上のボールの威力が優れているのがうかがえる。

 日大三打線は奈良大附の先発・木村 光を攻略した。木村は1回戦の羽黒戦同様、140キロ前半のストレート、スライダー、スプリット、チェンジアップ、カーブと多彩な変化球を低めに集める投球を見せたが、それでも小刻みに点を追加し、9回表には投手も兼ねる高木 翔己(3年)がレフトへ2ラン本塁打。8対3と点差を広げた。

 そして4回からリリーフした河村 唯人(3年)が5回11奪三振の快投。甘く入ったストレートを4番上野 拓真(3年)に3ランを打たれたとはいえ、腕の出どころが見にくいフォームから繰り出す最速140キロのストレートと縦に鋭く落ちるスライダーを武器に強打の奈良大附打線を翻弄。最後の打者を空振り三振に打ち取り、2011年以来となる3回戦進出を決めた。

 3イニングながら井上が復活登板を果たしたのは全国制覇を目指す日大三にとって光がさしたといえる。

(記事=河嶋 宗一