下関国際が待球策で、創志学園の好投手・西を攻略! 9回の大逆転で初の3回戦へ!


 第100回全国高校野球選手権大会の11日目。第1試合は1回戦で吉村 英也(3年)を中心に13安打を放ち、延長戦の末に春夏通じて甲子園初勝利を飾った下関国際(山口)と、エース・西 純矢(2年)が最速149キロのストレートを武器に16三振を奪い、無四球完封の好投で快勝した創志学園(岡山)が対戦した。

 練習試合の対戦経験が昨秋と今春の2度あり、その時はいずれも創志学園が勝ったという同じ中国地区に属するチーム同士の一戦。

 創志学園の先発・西は序盤、ストレートの走りが今ひとつ。制球にも苦しみ、2回表は2つの四死球などで二死二三塁のピンチ。ただ、8番・品川 優人(3年)に対しては2ボール2ストライクから148キロの真っすぐをアウトローに決めて見逃し三振。無失点で切り抜けた。

 下関国際の先発・鶴田 克樹(3年)は初回、先頭の創志学園(3年)からインハイの真っすぐで見逃し三振を奪うと、宮崎 竜成(3年)はインロー、西はアウトローのスライダーで空振りを奪い3者三振。素晴らしい立ち上がりを見せたが、2回裏は突然、コントロールを乱してしまう。2者連続で四球を出すと、6番・藤原 駿也(3年)はソフトボールのスラップのような打ち方で二ゴロ(記録は犠打)。二三塁へ走者を進められると、続く金谷 温宜(3年)には右中間へ2点適時二塁打を打たれて先制。さらに9番・小谷 勝星(3年)にもインコースの真っすぐをライト前へ打ち返され、3点のリードを奪われた。

 下関国際は3回表、四球で出たランナーを1番・浜松 晴天(3年)が左中間への適時二塁打で返して反撃。5回表には二死走者なしから四球と二盗でチャンスを作ると、3番・川上 顕寛(3年)のサードゴロを三塁手が一塁へ高投。ボールがファウルグランドへ抜ける間に二塁走者が返って、ノーヒットで1点差に詰め寄った。

 中盤以降は両投手が踏ん張り、無得点が続いたが8回裏。創志学園は一死から5番・中山 瞬(3年)がピッチャーの足の間をライナーで抜けるヒットで出塁。すると、藤原の三塁前のセーフティーバントが内野安打に。さらに続く金谷も三塁前にセーフティーバントを決めて満塁のチャンス。ここで森田 貫佑(1年)は低めのツーシームを引っ掛けてセカンドゴロに打ち取られるが二塁手がボールをこぼし、この間に三塁走者がホームイン。

 点差が2点に広がり、これで勝負ありかと思われたが、9回表の下関国際は2つの四死球で無死一二塁。7番・西山 勇輝(3年)は送りバントを2度ファウルにするが、追い込まれてからバスターに切り替え三遊間を破るヒットを放って満塁。そして、続く品川の3球目に下関国際はスクイズを試みると、西のストレートが高めに大きく抜け(バントは空振り)、暴投となって三塁走者が生還。さらに品川はスライダーをライトへ打ち返すと、この打球がポトリと落ちる同点打。なおも一三塁から、9番・佐本 快(2年)も外寄りのスライダーをセンターへ弾き返し、これが犠牲フライとなって土壇場で逆転に成功した。

 9回裏、創志学園はヒットの宮崎をバントで送って二死二塁と一打同点の場面を作り、打席には4番の金山 昌平(3年)を迎える。しかし、金山はインコースのツーシームを打ち上げライトフライに倒れて試合終了。下関国際が5対4で創志学園を下し、ベスト16進出を決めた。

 下関国際は好投手・西に対して序盤から待球策をとり、さかんにセーフティーバントの構えで揺さぶりをかけるなど5回終了時点で既に100球を超える球数を投げさせた。そして、終盤勝負の思惑通り、9回に逆転。ちなみに、佐本が勝ち越しの犠飛を放ったのはなんと西の173球目だった。また、先発の鶴田は中盤からツーシームやスライダーといった変化球を主体にし、打たせて取るピッチングで好投。3回以降は1失点に抑えていたことが逆転勝利につながった。

 創志学園は西が9三振を奪ったものの、7四死球の乱調。ヒットは3本しか許さなかったが、下関国際の粘りと戦術にはまり最終回に捕まってしまった。打線は9安打を放ったが、主砲の金山がノーヒットに封じられ、全体的につながりを欠いたのも響いた。

 9回の逆転劇で勝ち上がった下関国際。3回戦は大会13日目の第3試合で興南(沖縄)と木更津総合(東千葉)の勝者と対戦することが決まっている。

(記事=文:大平 明)