智辯学園が接戦を制す!バント失敗が勝負の明暗を分ける

 第90回選抜高等学校野球大会の3日目。第3試合は3年連続12回目の出場で一昨年の優勝校・智辯学園(奈良)と、センバツは36年ぶり4度目の出場で昨夏に続き2季連続の甲子園となる日大山形(山形)が対戦した。

 昨秋の奈良大会は6試合すべてで2ケタ得点を記録し、今大会の出場校のなかでトップのチーム打率.423の成績を残した智辯学園と、東北大会で仙台育英(宮城)、酒田南(山形)を連続完封した佐藤洸太(3年)を擁する日大山形の一戦。
 序盤から互角の展開となったが4回表、日大山形は相手先発の左腕・伊原 陵人(3年)を攻め、1番・竹田 空良(3年)がレフトオーバーの二塁打で出塁すると、四球と送りバントがヒットになる幸運もあって満塁のチャンス。ここで5番・佐藤 亘(3年)が1ボールからの2球目にスクイズを決めて先制した。智辯学園はその裏、この回先頭打者の2番・畠山 航青(3年)がライト線へ三塁打を放つと3番・左向 澪(3年)がレフトへ犠牲フライを打ち上げて、すぐさま同点。すると、日大山形も5回表、スリーベースの高橋 殿馬(3年)を4番の渡部 雅也(2年)のセンター前タイムリーでホームへ招き入れ2対1と勝ち越した。

 日大山形の先発・佐藤洸は5回裏、7番・伊原に対し、98km/hのカーブの後に130km/hの真っ直ぐを投げ込み空振り三振。さらに8番・小口 仁太郎(3年)は2ストライクから3球勝負に出て、外寄りの真っ直ぐで見逃し三振。代打の西田 仁一郎(2年)には139lm/hのストレートの後にワンバウンドの縦スラを振らせて空振り三振と、このイニングは3者連続で三振を奪った。佐藤洸はこの試合、ストレートの球速が140km/hに満たなかったものの巧みに緩急を使い、さらに多彩な変化球を駆使して相手打者に的を絞らせない工夫を凝らしたピッチングで好投した。6回裏には左向と藤村 健太(2年)に連続タイムリーを浴びて逆転を許したものの、その後も集中を切らすことなく岡野 龍太(3年)を高めのスライダーでタイミングを外して見逃し三振。塚本 大夢(2年)には力のこもった136km/hのストレートで空振り三振と意地を見せた。

 智辯学園は6回から登板した川釣 聖矢(3年)がチームに流れを引き寄せるピッチング。140km/hを超えるストレートとキレの良いフォークを武器に4イニングを投げて毎回の6奪三振。日大山形の反撃を1点に抑えると、8回裏には日大山形の二番手・近藤 皓介(3年)から岡野が左対左を苦にせず、内角寄りのストレートを引っ張ってライトポール際へソロホームランを放つなど、5対3と接戦を制して勝利を飾った。

 日大山形智辯学園に劣らない8安打を放ったが、8回表。佐藤亘、西島 好亮(2年)、近藤の3連打で1点差に迫った後、さらに一死一三塁のチャンスで8番・鹿野 航生(2年)がセーフティースクイズを試みるもファウル。結局、三振に倒れると、後続の打者も打ち取られて同点に追いつけなかった。実は3回表にもスクイズを決めらなかった場面があり、皮肉にもこの2度の失敗がそのまま2点差の敗北につながることとなってしまった。

 智弁学園は9安打ながら、ヒットが出た5イニングのうち4イニングでしっかりと得点。4本の犠打飛と4本の長打を効率的に絡めて攻撃ができたことがチームを勝利へ導いた。両チームの間に大きな力の差は見られなかったが、決めるべき時にバントを決められた智辯学園がわずかに日大山形を上回ったということだろう。

(文=大平 明)

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