2017年11月05日 高知県立春野運動公園野球場

明徳義塾vs英明

2017年秋の大会 第70回秋季四国地区高等学校野球大会 決勝
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さすらいの四国探題 寺下友徳

市川 悠太、投打に大車輪の活躍で、明徳義塾を連覇に導く!



最終回の逆転で2年連続9回目の秋季四国大会優勝を決め、喜ぶ明徳義塾・市川 悠太(左)ら選手たち

 高校野球において「ワンマンショー」という状況は本来、滅多に生まれないもの。だが、こと今回の第70回秋季四国大会における主役は間違いなく明徳義塾の背番号「1」。右サイドから最速145キロを投ずる市川 悠太(2年・投手・右投左打・184センチ73キロ・高知市立潮江中出身)。この決勝戦も然り。試合の主導権は100%中90%、対戦相手が握り続けていたにもかかわらず、終わってみれば主役は市川だった。

 とはいえ、英明の試合運びは「素晴らしい」の一語である。2回裏は恐怖の6番以下がチャンスメイク。6番・山上 慎太朗(1年・遊撃手・右投右打・172センチ62キロ・坂出市立白峰中出身)の右前打と8番・山下 鳴海(2年・左翼手・174センチ73キロ・右投右打・高松市立太田中出身)の右前打で二死一・三塁とすると、9番・中川 文太(2年・右翼手・175センチ75キロ・右投右打・橿原ボーイズ<奈良>出身)が3ボールから迷わずスイングしての中前打で先制点。

 その後は黒河 竜司(1年・投手・右投右打・180センチ75キロ・高松市立屋島中出身)、中村 太陽(2年・捕手・右投右打・165センチ75キロ・徳島ホークス<ヤングリーグ>出身)のバッテリーが最速136キロのストレートを内角。シュート回転の120キロ台後半のボールを左打者の真ん中から外角。そして120キロ中盤のスライダーを右打者の外角に落とす配球で8回まで8安打を浴びながらも無失点。「明徳義塾の焦りをついていく。これしかない展開」(香川 智彦監督)に持ち込んだ。

 しかし、この苦しい展開を市川は冷静にしのいだ。「もう1点取られてしまったら、相手に流れがいってしまう」と4回裏以降はストレートの割合を増加。6回は2・3・4番をすべて空振り三振で仕留めるなど8回裏までの5イニングを1安打ピッチング。

 そして迎えた9回表。明徳義塾は一死から5番・安田 陸(1年・捕手・右投右打・178センチ88キロ・明徳義塾中出身)の中堅手前進ダイビングキャッチのグラブ先をかすめる二塁打に続き、6番・谷合 悠斗(2年・左翼手・右投右打・179センチ81キロ・岡山メッツ<岡山・ヤングリーグ>出身)が詰まりながら一塁手手前に転がした打球が不規則バウンドで内野安打。さらにカバーに入った二塁手が対応しきれず後逸する執念が呼んだ幸運で同点とした。

 さらに二死二塁となって右打席に入ったのは8番・市川である。敬遠も考えられる中にあっても、市川は打席から闘志をメラメラと発していた。結果、初球の「狙っていた」変化球を振り切った打球は左翼手の頭上を越える逆転二塁打。その裏二死から失策で走者を許すも最後は山上を遊ゴロに仕留めた市川は、125球5安打8奪三振完投勝利。課題とされていた四死球も初回の死球1個のみに止め、明徳義塾を2年連続9度目の大会制覇と2年連続7回目の明治神宮大会進出に導く大車輪となった。

 「これで全国レベルになったね」。球場を離れる際に市川の評価について聞かれ、馬淵 史郎監督はこう笑顔で返した。となればもちろん、中5日で迎える明治神宮大会初戦、関東大会王者の中央学院(千葉)戦の先発は市川 悠太。夏の甲子園で成長のきっかけをつかんだ本格派右サイドは、秋の明治神宮で春の甲子園につながるステップを獲得するマウンドに立つ。

(レポート=寺下 友徳

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