タレント揃いの名門校同士の対決は広陵が制する!



中村奨成(広陵) ※写真=共同通信社

 改めて1回戦で対戦するには、もったいないゲームだった。それだけ両チームの選手のレベルが非常に高かったからだ。

 まず流れをつかんだのが、中京大中京だった。1番伊藤 康祐 (3年)がバックスクリーンへ飛び込む本塁打で1点を先制。伊藤はU-18代表候補に選ばられているが、この試合で、自分の実力を発揮した。スクエアスタンスで構え、力みなくボールを待つことができており、インサイドアウトでボールで呼び込んで、広角に鋭い打球を連発できる選手で、打撃技術の完成度が高い。広陵平元 銀次郎の速球、変化球にも立ち遅れることなく、弾き返せる能力の高さはさすがだ。さらに、二死三塁から内野安打で1点を追加した中京大中京。

 中京大中京の先発・磯村 峻平(3年)が6回一死まで2安打、無失点に抑える素晴らしい投球を見せた。独特の踏み出しから、左スリークォーター気味に腕を振っていく投手で、常時135キロ~140キロ(最速141キロ)の速球は横の角度で決まっており、さらにキレのあるスライダーが低めに集まり、甘い球が少なく、強打の広陵打線に対して、うまい攻めで、抑えることができていた。これまでの投球と比べるとだいぶ安定感が出ており、3年間でしっかりと成長した跡を見せてくれた。

 好投の磯村に代わって、マウンドに登ったのが背番号1の香村 篤史(3年)。香村は184センチ83キロと恵まれた体格をした投手。香村はだいぶ恵まれた体格を生かせるようになり、リストアップ、テークバック、リリース、体重移動と一連の流れが実にスムーズとなった。

 右上手から投げ込む直球は、常時140キロ・最速143キロを計測。球速表示だけではなく、回転数も高く、万全の投手リレーで広陵打線を封じるプランだったが、3番中村 奨成(3年)が142キロのストレートを押し込み、ライトスタンドへ本塁打。中村の本塁打で勢いに乗った広陵打線は4番加川 大樹 (3年)のライトへ二塁打を打ち、5番高田 誠也 (3年)の左前適時打で同点に追いつく。香村の速球は全く悪くなかった。

 打った中村の技術をほめるしかない。あの右打ち技術はまるで同じ広陵OBで、巨人・日本ハムで活躍した二岡 智宏さんを思い出させる一打であった。さらに抜群の強肩。小林 誠司二世と呼ばれている中村だが、打撃は二岡、肩は小林を彷彿させる選手といったところだろう。またフレーミング技術も高く、中村のキャッチングからストライクにしたボールも数多くあった。総合力とスケールを兼ね備え、そして初の甲子園でこの大活躍。ドラフト上位候補として評価を高めた試合となった。