投打の"超高校級"が激突。直接対決を制したのは―


石田龍史(履正社)

 日大三の先発、左腕の櫻井 周斗(3年)が抜群の立ち上がりを見せた。縦に割れる127、8キロのスライダーのキレが素晴らしく、1~3回まで毎回三振を2つずつ奪い、6回が終わった時点で被安打4、奪三振10、失点2という内容。ストレートは最速142キロを計測し、「超高校級」というにはあと3、4キロほしいが、〝名人″と形容したくなるスライダーのキレを備えているので、私は違和感なくその称号が受け入れられる。

 とくに見応えがあったのが打の超高校級、履正社の3、4番、安田 尚憲(3年・三塁手)、若林 将平(3年・外野手)を迎えたときのピッチングだ。ストレートを1、2球見せ球にした徹底的なスライダー攻めを敢行したのだ。安田は1~3打席すべてスライダーを空振りして三振、若林は第1打席がスライダー、第2打席がチェンジアップ、第3打席がストレートを空振りして三振。実に10奪三振のうち6個をこの2人から奪っている。しかし、6回を投げ終わった時点で桜井の球数は90球に達し、ここを境にしてピッチングが激変する。

 櫻井の投球フォームは右肩上りに特徴がある。プロ野球選手でいえば、元広島のエース・川口和久が近い。前肩が上り、一本背負いのような形でボールを押さえ込みにいく。これが6回までのピッチング。7回以降は前肩が上ったままボールを押さえ込めず、高めに抜ける球が非常に目立った。7回表は2つの四球、1つの四球と左前タイムリーで1点を失うが、よくこれくらいで済んだと思う。

 9回に先頭打者に四球を与えたところでマウンドを2番手の岡部 仁(3年)に譲り、岡部が2番溝辺 冬輝(3年)にタイムリーを打たれ、打席にそれまで3三振の安田を迎えると、櫻井が再びマウンドに向かった。