人生初登板の大木翔太郎が7回完封!

大木翔太郎(東海大相模)

 「自分、これが投手として初めて投げた試合だったですよ」
と報道陣を驚かせた東海大相模の先発・大木 翔太郎(3年)。甲子園ではベンチ入りしていない選手で、ボールボーイとして優勝を見守った選手であるのだ。普段は内外野、捕手すべてこなす選手のようで、打撃投手としてチームのサポートを続けてきた。
 そんな大木が先発を告げられたのは朝。
「まじで!」と驚く大木。そしてナインにも「おいおい大丈夫かよ」と突っ込まれながらスタートした秋田商戦。
 大木はとにかく思い切って投げることを決めた。そんな大木だが想像以上に良い投手だった。右スリークォーター気味から投げ込む直球は常時130キロ前後で、最速は134キロ。コントロールもまずまずまとまっており、スライダーもコーナーへ決まる。何より強く腕が振れているのが良く、投手をやっていないというのを試合後に聞いて驚きを隠せなかった。

 とにかく余計なことを考えずに思い切って投げようとしているのが伝わってきた。そんな大木に対し、ベンチの選手たちは1球1球投げるたびに声を挙げて激励。ストライクが入れば拍手。
 被安打を打たれながらもナインが好守備で盛り立てる。こんなに味方の選手を全力で励まそうとしている姿を見るのはあまりないこと。これまでチームをサポートした大木を応援してあげたい。そんな思いが込められていた。
 そして3回表、大木は自ら適時三塁打を放って先制。その後は杉崎 成輝長倉 蓮などの適時打が飛び出し4対0。5回表には杉崎と長倉、磯網 栄登の適時打で7対0とした東海大相模。投げては大木が、7安打を打たれながらも完封勝利を挙げ、コールド勝ちを果たす。
 今まで試合出場がなかった選手の活躍が光ったこの試合。東海大相模は今までベンチ入りができなかった選手もベンチ入りしており、準決勝ではそういう選手たちの活躍も期待できそうだ。そこに今回の国体の意義がある。

(文=河嶋 宗一

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