林の課題は、矛盾するようだが足である。4回裏、先頭打者として一塁ゴロを打ち、このときの一塁到達タイムが5.08秒。アウトと思っても全力で走れば相手守備に混乱が生まれ、セーフになる確率が上がる。2番を打つチャンスメーカーならそれをやってほしい。

 健大高崎にはもう1人、ドラフト候補がいる。柘植 世那(捕手)である。この試合で計測した二塁送球の最速は1.97秒。実戦での記録ではないが(盗塁されていない)、超高校級と評価していいタイムである。さらに4回裏には三塁走者の離塁が大きいのを見て、電光石火のけん制球を投じている。惜しくもアウトにできなかったが、このときのタイムが1.45秒。私の中では1.5秒台が強肩の目安。「1.5秒台」とアバウトに言っているのは、1.5秒未満がほとんど見られないからだ。1.45秒はそれほどスーパーな記録と言っていい。

 藤井学園寒川にも触れよう。試合前には健大高崎の圧倒的勝利が予想されていた。10対4はその通りになったと言っていいスコアだが、藤井学園寒川には元気があった。中盤から終盤にかけてはどちらが今攻撃しているのか、すぐにはわからなかった。それほど走りっぷりや好球必打の姿勢が印象的だった。ちなみに、最近私が注目している「見逃し率」は健大高崎の16%に対して、藤井学園寒川は10.1%。この数値は今大会ナンバーワンである。

(文=小関 順二

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