
安田 尚憲 (履正社)
- 寸評
- 清宮 幸太郎とともに注目されるスラッガー・安田 尚憲。安田を初めてみてきて約1年半。まさに求道者といえる選手だ。2年秋の公式戦打率.420、4本塁打、22打点と圧倒的な成績を残したスラッガーは、打ち損じゼロにこだわり、選抜では、打率.417、1本塁打、3打点と成績を残しながらも満足する様子ではなかった。そういう向上心の強さが安田の成長を生んだのだろう。夏では19打数12安打、打率.632、3本塁打、13打点と圧巻の打棒を見せ、U-18の練習試合では2試合連続3本塁打と圧巻の打棒を見せている。
(打撃)
安田を見ていて思うのは打撃の構えが変わっていることだ。安田の構えはスクエアスタンスで、グリップを高く構える傾向にあったが、だいぶ低い位置となった。その狙いはボールを見やすくするためなのか、早めにインパクトに持っていけるためなのかは定かではないが、安田は高確率でコンタクトできるスイングを実現するために、常に工夫を重ねているのが分かる。
投手の足が着地をしたところから始動を仕掛けていき、すり足気味でタイミングを測り、真っすぐ踏み出す。踏み出した右足は崩れることなく、キープすることができており、自分の形で打つことができる。トップの位置は深く取っていきながらも、インパクトまでは無駄のないスイングを実現。両腕の使い方が柔軟で、捉えるコースは外角、高めだけではなく、内角にも強くなり、通算64本目のホームランは内角を救い上げたもので、これを場外にもっていった技術、打球速度、飛距離はとても高校生とは思えなかった。
安田は捉えるとき、軸足の股関節を綺麗にスピンさせて、全体重を乗せて打ち返すことができており、これも規格外の飛距離を生み出している要因ともいえるだろう。
清宮 幸太郎が今年のナンバーワン打者という評価は変わりないが、安田も意識の高さで急加速で、成長を見せている。これほどのスイングをしながら、コンタクト率を高めるのは至難の業。それは安田が打撃について深く追求してきた証だろう。飛距離、打球そのものは清宮と同レベル。あとは変化球の精度が高い投手に対してどう対応するのか、その一点に尽きるだろう。
(守備)
課題だった三塁守備はだいぶ改善がみられ、打球反応も良くなったが、まだグラブ捌き、バウンドの合わせ方で課題を残す。肩は非常に強く、深い位置からでも強いボールを投げられる体の強さがあり、プロのレベルでも三塁手は出来る適正は十分に持っている。 - 将来の可能性
- 安田の良さは、常に向上心を持って打席に立っている様子が見られること。その強さがほかの誰よりも強い。そういう姿勢が次元が違う活躍を見せているともいえる。
高卒野手は、1年目から二軍でレギュラーを取れて、数年後には一軍レギュラーも視野にできて、なおかつ高い打撃成績を残せる選手が上位指名するべき人材だと考えるが、安田の場合は高卒1年目から二軍でレギュラーどころか、まず二軍ならばホームラン王争いができるポテンシャルの高さ、技術の高さ、意識の高さがある。
高卒プロ志望することが決まっているが、自分が納得いく形で技術を追求していってほしい。いずれはNPBで30本~40本は狙える逸材であるかは世界大会で見極めていきたい。 - 情報提供・文:2017.08.27 河嶋 宗一
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頑張ってる姿にこちらも勇気をもらってますよ!
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