森久保 翔也選手 (聖光学院)
短評
観戦レポートより抜粋(2015年6月5日) 森久保 翔也は、青山学院大で活躍する岡野 祐一郎のフォームの流れが実に似ている。ワインドアップから始動し、左足をゆったりと引き上げてから、右足をバランス良く引き上げ、左肩をやや高く掲げてから、コンパクトなテイクバックから振り下ろす。その流れが実に岡野らしいのだ。さらに力みがなく、力の入れどころが分かっているので、コントロールが安定しやすい。本人に聞くと、やはり参考にしているようだ。 「僕は甲子園で投げていた岡野さんに憧れて、ここ(聖光学院)に入ったので、フォームとかも真似ています」 岡野といえば、とにかくテンポが良い投球ができる投手だが、森久保もテンポが良い投球が出来るのだ。初回からストライク先行の投球。 森久保はスライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップ、シンカーと実に球種は多彩だが、課題にしていたストレートをどんどん押すことをテーマにしていたようだ。確かに要所では140キロ近い速球をどんどん攻める投球を見せることができており、柴田打線を封じこみ、9安打2失点完投勝利を収めた。 試合後、森久保は、「内外角に厳しいところに攻めることができたので、良かったです」とストレートをしっかりと投げ切ることができたことに手応えを感じていた。変化球では、125キロ前後のスライダーが多かったが、これも岡野から学んだこと。練習の手伝いに来ていた岡野からスライダーを投げるポイントを教えてもらった。 「それまで僕は捻るイメージで投げていたんですけど、ストレートを同じような腕の振りで、投げる際に切るイメージで投げることを教わりました」 すると、110キロ台だったスライダーが、コンスタントに120キロ台まで計測するようになり、武器になった。このエピソードで分かるのは、研究熱心で貪欲にチャレンジができること。また課題を設定しながら、投げることができるクレバーさもあり、180センチ72キロと体格的にも伸びしろもある。次のステージへ向けて楽しみな存在といえるだろう。
更新日時:2015.06.06