田中 一也選手 (仙台育英)

田中 一也

球歴:仙台育英

都道府県:宮城

ポジション:投手

投打:右 / 左

身長:183.0 cm

体重:81.0 kg

学年:卒業

寸評

由規(現ヤクルト)のような投球フォームから伸びのあるストレートを目の当たりにして衝撃を覚えた。 プロ入りはしなかったが、もし志望届けを出していれば指名も期待できた投手。それだけではなく、左打席から鋭いスイングを見せ、俊敏なフィールディング・塁間タイム4秒00秒前後を計測する俊足。これほど身体能力と野球センスの高さを持った投手ならば、ぜひプロ入りしてほしかった。仙台育英の田中の投球を振り返りたい。 (投球スタイル) ストレート マックス 147km 常時 140キロ~145km スライダー 130km前後 フォーク  130km前後 カーブ   100km前後 ストレートはマックス147kmを計測。スピードだけではなく、伸び・キレともに抜群で、突き刺さるようにミットに突き刺さっていく。ストレートだけならドラフト上位級のクラス。彼はストレートだけではない。変化球はスライダー、フォーク、カーブと一通り球種はあり、精度はすべて高い。そのためすべての球種で投球を組み立てることが出来るので、投球の幅はかなり広い。甲子園初戦の開星戦(2010年08月11日)ではストレート中心の投球とそして気負いがあったので、粗っぽい投手のように思えるが、実は多彩なコンビネーションを駆使して抑えられる投手なのだ。 (クイックタイム・フィールディング) クイックタイムは1.2秒~1.3秒台とまずまずのタイム。クイックでもストレートの球速が落ちないのは良い。ただコントロールが甘くなる傾向があるので、もう少しこの部分を見直していくとよいだろう。フィールディングは軽快。投げ終えてからの動きは速く、捕球して送球するまでのターンも無駄がない。そしてなんといってもこの選手は俊足なのが魅力。塁間タイム4秒00秒前後を計測する俊足であり、プレーの随所から身体能力の高さがうかがえる。 (打者の攻め) ・右打者 右打者に対しては外角中心にストレート、スライダー、フォークを投げ分けていく配球。ストレートでカウントを稼いで追い込んで、スライダーをアウトローぎりぎりに決めて三振を奪う配球だが、カウントを稼ぐストレートが高めにいくことがあり、そこを狙い撃ちされて打たれることが多い。 ・左打者 左打者に対しては変化球を低めに集める投球で、カウントを稼いでいき、ストレートを見せ球にしながら、最後はフォークを決めて空振り三振を狙う配球。ストレートでも三振を狙える投手ではあるが、三振に奪ったのは変化球の割合が高い。ストレート、変化球ともに低めに集まるし、フォークという決め球もあり、コンビネーションをしっかり確立することができている。 (投球フォーム) 投球フォームはヤクルトの由規投手のフォームに似ている。細かく見るとノーワインドアップから入りゆったりと左足を回しこむように上げていく。二塁方向に足を送り込んでいき、左足の膝を浮かして着地していく。軸足にしっかりと体重を乗せることができている。左腕のグラブを真っ直ぐ伸ばしてから引き込んでいく。使い方は悪くないが、打者に正対してしまうので、出所は見易い。コンパクトにテークバックを取っていき、リリースしていく。力強い腕の振りをしており、そして打者寄りにリリースすることができているので、球持ちは実に良い。そして腕の位置がそれほど高くないので、腕にかかる負担は少ない。  このフォームの長所は腕の振りの力強さ・球持ちの良さ。課題は開きの早さか。出所が見やすいので、140km級のストレートが簡単に振り抜かれているのが気になった。投球フォーム自体は理に適った好いフォームといえるのではないだろうか。
更新日時:2010.11.05

将来の可能性

140km台後半の速球を投げるスピード能力・変化球のレベルの高さは超高校級。 そしてフィールディングの機敏さから伺える身体能力の高さ。投手としての総合力だけではなく、この身体能力の高さはプロ級の素材であったと評価している。 大学へ進むことが明らかになったが、間違いなく即戦力として期待できる投手。4年間の間にその高い素質を伸ばしていき、ドラフト最上位候補と呼ばれる投手に成長することを期待したい。
更新日時:2010.11.05

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