橋中 基岐選手 (桐蔭)

橋中 基岐

球歴:桐蔭

都道府県:和歌山

ポジション:三塁手

投打:右 / 右

身長:174.0 cm

体重:70.0 kg

学年:卒業

寸評

 選抜今治西戦では、思っきりの良い打撃と再三転がって来るボールを好捕して存在感を示した5番打者。 (第一印象)  とにかく咄嗟の判断力の良さ・決断力の早さが素晴らしいと感じました。それは、守備だけでなく打撃にも現れています。 (守備・走塁面)  打球への一歩目の反応が素晴らしく、強い打球でもしっかり捌ける守備力は光ります。フットワーク・スローイングなどを見ていると危なっかしくも見えるのですが、サードというポジションはボールを恐れず動けることが何より求められるポジションですから。地肩に関しては、三塁手としては平均的な選手だと思います。  残念ながら、一塁までの走破タイムは計測できず。それでも秋の新チーム結成以来の40試合で9盗塁を記録しており、これはチーム一の数になります。142打席で9盗塁ですから、プロの規定打席である446打席に換算すると年間28盗塁に相当し、それなりに動ける選手だとわかりました。 (打撃内容)  独特のバットを払うようなスイングで、右方向にも強い打球が飛ばせます。 <構え> ☆☆  前の足を軽く引いて、グリップを高めに添えた強打者スタイル。腰の据わりは良いのですが、顔は一二塁間に向いており、全体のバランスとしてはどうでしょうか? <始動> 遅すぎ  一度ベース側につま先立ちして、本格的に動き出すのはリリースの後という、極めて遅い始動が特徴。ここまで遅いと一定レベル以上の球速やキレのある球に対しては、立ち遅れてしまうのではないのでしょうか。 <下半身> ☆☆☆  始動~着地までの「間」はなく、狙い球を絞りその球を逃さないことが求められます。真っ直ぐ~インステップして踏み込んでくるので、意識は外の球にあるように感じます。通常右方向に打ち返す時は、踏み込んだ足元がブレないようにして開きを抑えます。しかしこの選手は、踏み込んだ足を早く地面から放し、壁を開放して払うようにスイングします。この打ち方だと外角でも甘いゾーンとか高いゾーンの球を捌くには良いのですが、外角の厳しいゾーンや低めの球にはついてゆくことは出来ません。このような外角の捌きをするのは、内川聖一(ソフトバンク)選手などがよく魅せる、かなり特殊な捌き方となります。 <上半身> ☆☆  打撃の準備である「トップ」を作るのが遅いので、速い球に遅れがち。バットの振り出しも身体から離れて出ており、ミートポイントまではロスがあります。それでもある程度打ててしまうのは、振り出すときにグリップを下げることで、打てない球でもファールで逃げたり、広い面でボールを捉えることができるから。あとは腕っぷしの強さを生かして、スパンと払うようにボールを捌きます。 <軸> ☆☆   足の上げ下げは小さく、目線はそれほど上下にブレません。しかし体の開きが我慢できず、軸足も前に崩れがち。どうしても、自分からボールを追ってしまう欠点があります。
更新日時:2015.04.14

将来の可能性

 甲子園では走塁での見せ場はなかったものの、守備では大いに沸かせてくれました。また打撃も3安打を放ち、存在感を魅せつける大会となりました。打撃に関しては、かなり特殊な技術の持ち主であり、これを意図してやっているのではあれば問題はありません。それならば、メリット・デメリットがわかっているのですから、それを活かす打撃を追求して行けばいいわけで。ただし打撃の基本という意味ではセオリー通りではないので、環境次第ではいじられたり、上のレベルでは壁にぶち当たるかもしれません。なかなか見ていて潔いプレーなので、この先も野球を続けて行って欲しい一人でした。
更新日時:2015.04.14

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