船﨑 星矢選手 (松商学園)

寸評

　U-15の全日本では、一番打者として活躍。三拍子揃った選手で、腕っぷしの強さから強烈な打球を生み出す。全国的には無名も、この秋のドラフトに向けプロ志望届けを提出した。 （第一印象） 　ただパワフルなだけでなく、ボールを捉えるコンタクトの高さ、ボールを見極める目の良さも合わせ持つ。強打者ではあるが、けして脆いタイプではない。 （守備・走塁面） 　一塁までの到達タイムは、左打席から4.15秒前後とドラフト候補としては平均的。今までは一番打者として出場することが多かったようだが、最後の夏は3番打者として出場していた。 　打球への反応、落下点までの動きを見ていると、平均的な外野手という印象を受ける。左翼を守っていたのは、肩でも痛めていたのか？　強い送球が観られなかった。これは故障による一時的なものなのか、元来そうなのかは定かではない。 （打撃内容） 　強烈な打球で、野手の間を抜けてゆくタイプの強打者。右に左にセンターへと、どの方向にも打ち返す、幅の広い打撃が持ち味。 ＜構え＞　☆☆☆ 　少しだけ前の足を引いて、グリップは下げ気味に構えます。腰の据わり具合、両目で前を見据える姿勢はよく、全体のバランスとしては並でしょうか。 ＜始動＞　遅め 　投手の重心が下がりきって、前に移動するタイミングで動き出します。始動のタイミングとしては遅く、これは長距離打者か2番打者に多く観られる始動。 ＜下半身＞　☆☆☆ 　始動が遅い割に足をしっかり引き上げて来るので、少々忙しく感じます。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも打ちたいタイプ。踏み込んだ足元はブレないので、外角や低めの球にも、体の開きを我慢して喰らいつくことができます。 ＜上半身＞　☆☆☆☆ 　打撃の準備である「トップ」の形を作るのは、少しバットを引くのが遅れがちかなという気はします。しかしバットの振り出しから、インパクトまでのスイングにはロスがありません。 　ボールを捉える際にも、バットの先端であるヘッドが下ることがないので、フェアゾーンにボールが落ちる確率が高まります。更にボールを捉えてからも、強くバットを振り抜けています。 ＜軸＞　☆☆☆☆ 　足の上げ下げはありますが、目線の上下動は少なめ。体の開きは我慢でき、軸足も大きくは崩れません。

最後に

　打撃の技術、持っている潜在能力は素晴らしく、その辺はドラフト指名も意識できる能力があると考えます。しかしけして長打力が凄いとか、肩・足などでアピールできる武器が少ないだけに、高校からプロとなると決め手不足は否めません。 　それだけに今後守備や走力でもアピールしつつ、自慢の打撃で存在感を示せれば、将来的にプロ入りを狙える可能性は充分あると考えます。例え指名がなくても、夢を諦めずに今後も野球を続けて欲しい一人です。