柿澤 貴裕選手 (神村学園)

柿澤 貴裕

球歴:神村学園

都道府県:鹿児島

ポジション:投手

投打:右 / 左

身長:178.0 cm

体重:80.0 kg

学年:卒業

寸評

 140キロ後半の速球を投げる投手だが、野手として才能が評価されて楽天では外野手としてプレーする。個人的には投手派なのだが、野手としてみるとスイングの強さ、スイング軌道を見るとこれほど野手として育てがいのある選手はなかなかいない。 (打撃)  彼の打撃を見ると手元までボールを引きつけて自慢のヘッドスピードを生かした選手。スイングスピードの速さは圧巻で、鹿児島大会決勝戦で放った本塁打のスイングはずば抜けたレベルであった。楽天のスカウトが野手として惚れ込むのも分かるスイングだった。  打撃スタイルは狙い球を絞って打つというより、自分が打てるゾーンに対して、振り抜く打撃を身上としている。この積極性が彼の持ち味だ。  スタンスはスクエアスタンス。グリップを肩の位置に置いて背筋を伸ばして構えている。背筋が伸びて投手を両目で見据えて構えることができており、筋の良い構えである。投手の足が降りたところから始動を仕掛けていき、大きく足を上げて間をとることができている。踏み込んだ足はインステップ気味に踏み込き、体が開かずに抑えることができている。  トップの動きを見ていくと捕手側方向まで引いていき、グリップが入りすぎずにトップを作ることができている。内角に対しても、懐を空けて、ゾーンを確保し、フルスイングできる準備ができている。  弧を描くようにスイングを描いていき、ボールの下から捉えている。彼が良いのはスイング軌道の良さで、長打が狙えるスイング。木製に切り替えても同じような感覚でスイングすることが出きれば、木製でも長打が打てる選手になっていくだろう。  課題としてはまだ目線のブレがあり、ミスショットが多い。そしてリストの返しが速く、ひっぱ叩くようなスイングで、一、二塁間のゴロが多い。リストを早く返さず、独特のバット軌道から振りぬくフォームを固めていければいいだろう。スイングが出来る左打者としては2012年度の高校生ではトップクラスに入る逸材だと評価する。 (守備・走塁)  打球の追い方、反応、切り返しなどを見ると、また外野手らしさはなく、目立っているのは肩の強さだけだ。もともと140キロ後半の速球を投げていた豪腕。投手出身ということもあって、その送球は正確かつ力強い。プロでも肩を売りに出来る外野手となっていくはず。ただ投手のフィールディングを見ると、切り返しもよく、肩も良いので、内野手向きではあるかもしれない。プロのコーチの判断で、守るポジションが決まっていくだろう。  塁間タイムは4.10秒前後で脚力も中々のレベル。足を売りにするほどではないが、標準以上の脚力に達しているので、使いやすい選手であろう。
更新日時:2013.02.03

将来の可能性

 個人的には投手としてみていたが、あまり評価が高くなかったのは開きが早く、140キロ台の速球を投げ込んでもあっさりと振り抜かれていたこと。スカウトは投手・柿澤は評価しておらず、投手としての高卒プロは時期尚早と判断していたのかもしれない。  野手としてみれば、140キロ後半を生み出す身体能力、長打が狙えそうなスイング軌道、高校生離れしたヘッドスピードの速さを誇る打撃に賭けてみたいという思いから野手としての指名に踏み切ったのだろう。これほど野手として育てがいのある選手は中々いないし、賭けてみたい才能はある。  楽天は投手出身の野手の目利きがなかなか良く、中川 大志三好 匠と身体能力、野球センス、打力のある投手を指名。中川は怪我で育成降格もあったが、今シーズンの飛躍が期待され、三好は高卒1年目ながら二軍で打率.250、5本塁打を記録している。彼も二人と同じような活躍が期待出来ると評価している。  そして打撃指導に定評があり、徹底とした練習量を行う大久保博元監督の下で、スラッガーとして才能を開花させることができるか。ぜひ注目してみたい選手である。
更新日時:2013.02.03

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です