田中 豊樹選手 (佐賀商)

田中 豊樹

球歴:佐賀商

都道府県:佐賀

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:179.0 cm

体重:86.0 kg

学年:卒業

寸評

 2011年の佐賀のドラフト候補と言えば、北方 悠誠  が筆頭にあがる。しかしその北方以上に、投球で馬力を感じさせるのが、今回ご紹介する 田中 豊樹。 普段は外野手と出場し、通算20本塁打以上をかっ飛ばす強打者。そのため少々荒っぽい野手投げながら、非常にパワフルな投球を魅せてくれる。現在までのMAXは、146キロを記録するとも言われるほど。今回は、投手としての 田中 豊樹 に注目してみたい。 (投球内容)  いかにも野手が投手をやっていますと言った、上半身主導の投球フォーム。しかしその荒っぽい投球フォームから投げ込まれるストレートは、昨夏の時点でコンスタントに135~140キロは出ていそうな、非常に力強いストレートを投げ込んでくる。変化球は、カーブのように曲がりながら落ちるスライダー。球種は、ストレートとこの球しかないように思える。細かいコースの投げ別けはなく、ストライクゾーンの枠の中に思いっきり投げ込むと言う力任せの投球。それでもクィックでは、基準である1.2秒を切るような内容で投げ込むことができるなど、元々野手だけに投球以外の能力にも優れている。現状は、マウンドセンスやピッチングを組み立てる、そういった段階ではなかった。最後の夏に向け、そういった投手らしい側面を、いかに磨いてこられるのかにも注目してみたい。 (投球フォーム)  引き上げた足を高い位置でピンと伸ばすので、お尻を一塁側に落とせます。そのため将来的に、見分けの難しいカーブや縦に鋭く落ちる球種を修得できる下地はあります。ただ着地までの粘りはないので、まだそれらの球種を投げ込めるだけの時間が確保できません。引き上げた足を二塁方向に軽く送るなどしてバランスをとり、着地までの時間を稼ぐ意識が欲しいところです。  グラブの抱えは、最後に後ろに抜けてしまっていて充分ではありません。こういった動作を最後まできっちりやって行かないと、どうしてもコースの投げわけは厳しくなります。ただ上半身主導が腰高のフォームと思いきや、足の甲の押しつけはできており、リリースが安定してくれば、もっと低めにボールを集めることも充分期待できます。  投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」の観点で観てみると、「球持ち」自体は悪くありませんが、「着地」までの粘り、体の「開き」の早さ、下半身を上手く使う「体重移動」に課題を抱えます。腕がもっと強く体に絡んで欲しいですし、もっと前に上手く体重移動できれば、更にグッと体重が乗った球が打者の手元まで行きそうです。
更新日時:2011.05.30

将来の可能性

 実際その投球を見ていると、野手が馬力に任せて投球しているといった感じで、とても投手っぽくはありません。打者としての資質も高いのですが、もし夏に140キロ台後半ぐらいの球を連発できるようだと、将来的には投手としての需要が高まるかもしれません。それだけパワーで、打者を圧倒できる資質があるからです。  まだまだピッチングをしているといったレベルではなかったので、課題も山積みです。もし今後も、本格的に投手を続けて行こうとするのならば、「着地」をまでの粘りや間を強く意識して取り組むべきです。「着地」こそ投球フォームの核ですから、これを改善することで、投球全体に様々な変化が期待できます。  最後の夏に、どんな活躍を見せてくれるのか?下級生の頃から注目している打撃と共に、個人的には大変興味があります。期待して見守りたいですね。
更新日時:2011.05.30

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