時本 亮選手 (大垣日大)
寸評
エースの葛西 侑也と共に、神宮大会や選抜で全国大会を昨年経験してきた選手です。経験・実績が豊富な捕手として、東海地区を代表する野手の一人にあげられます。 (ディフェンス面) この選手の最大の良さは、捕手としての型がしっかりしていて、一球一球ボールを押し込むように捕球できる点にあります。そのため審判からも、ストライクのコールを導きやすい傾向にあります。ミットをしっかり示すことで、投手もまた的が絞りやすくし、グラブを下に下げる癖がないので低めの球にも素早く対応できます。テンポの良いリードにも心がけ、高校球界を代表する好投手・葛西侑也投手の好投を導きます。スローイングも捕ってからスローイングまでの形がしっかりしており、塁間1.95秒前後を実現。あとは二塁までの制球が、もっと安定して来ることが望まれます。高校生捕手としては、かなりバランス・センスを兼ね備えた捕手だと言えそうです。 (打撃内容) 公式戦でも練習試合でも、4割台をマークするなど、打つ方でもまずまずのものがあります。スクエアスタンスで、バットを立てて構えます。全体にバランスの取れた構えなのですが、打席では少し力みを感じます。仕掛けは、一度足をベース側に足を寄せてから、再度踏み出すために「遅すぎる仕掛け」になってしまい、一定レベルの球速やキレのある球に、立ち後れやすい仕掛けです。上のレベルでの野球を意識するのであれば、ぜひ修正したいポイント。 足を小さく浮かし、ベース側にインステップします。それだけの外の球を強く叩く意識がある選手で、踏み込んだ足下もブレません。この手のタイプは、狙った球を逃さないする「鋭さ」が求めます。打撃の準備段階の「トップ」の位置にグリップを持って来るのは遅くはないのですが、「トップ」自体を深くきっちり作れません。「トップ」は、打撃の準備の形づくりであり、ここがピタと決まらないと中途半端な打撃に陥りやすいのです。それに加え、バットを寝かせながらボールを捉えるまでに遠回りなスイングをするのが気になります。またその割に、受け止める軸足の形が崩れやすいので、打撃にあまり粘りが感じられないのも残念なところ。打撃全体に力みが感じられ、もう少し「柔らかさ」を意識してプレーに取り組んで欲しいと思います。打撃は、まだまだ改善したいポイントがたくさんあります。
更新日時:2011.02.19
将来の可能性
ディフェンス面では、大学などでも充分やっていけそうなポテンシャルがあります。その反面打撃では、力みから来る「硬さ」が感じられたり、技術的にも課題が少なくありません。特に塁間4.4秒前後と、左打者としては足が早くはないので、将来的にも捕手としての活躍を希望したいところ。捕手としての適正・性格がしっかりした選手なので、そういった面では心配なさそうです。今後も長く、アマチュア球界での活躍を期待させる好選手でした。
更新日時:2011.02.19
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