小川 裕人選手 (東北)

小川 裕人

球歴:東北

都道府県:宮城

ポジション:遊擊手

投打:右 / 右

身長:183.0 cm

体重:80.0 kg

学年:卒業

寸評

180センチ台の体格ながら、名門・東北高校で遊撃のポジションを任されるほどの、高い身体能力が魅力の大型内野手。大型故の脆さや動きの鈍さはあるものの、スケールの大きなプレーヤーとして、選抜でも活躍が期待される一人。 (守備・走塁面)  残念ながら今回の観戦では、一塁までのタイムは計測できず。この秋の165打席で9盗塁を残しているということからも、これをプロの規定打席446で換算してみると、1シーズンあたり24個の盗塁を記録すると考えるとイメージしやすい。もちろん高校とプロでは、捕手のスローイング能力・投手のクィックモーションや盗塁の技術が格段に違う点からも、この数字が単純にあてはまるわけではない。しかし184センチの体格を考えると、かなり動ける身体能力の持ち主であることはイメージできるのではないのだろうか。  逆に守備に関しては、秋の47試合で11失策。これをプロの試合数である144試合で単純に換算してみると、1シーズンあたり34個と言う失策になってしまう。この数字も単純に当てはめることはできないが、かなり安定感に欠ける傾向にあることが浮き彫りになる。実際その動きを見ていても、打球を待って捕る癖があり、前への動き・判断力が鈍いことがわかる。横への動きはそれほど悪くないが、やはり上のレベルで遊撃を担うには少々重苦しい。しかに待って捕る癖がある選手は、基本的に打球が格段に速く感じられる三塁手としては致命的。二遊間を担うには、スピード感が物足りなく三塁手としての適正も疑問となると、将来的に一塁もしくは外野と言う選択になってしまう。地肩の強さは、基準レベルぐらい。ただ、まだまだ発展途上の選手だけに、この冬の成長ぶりをみて適正を判断をして行きたい。 (打撃内容)  早く懐を開けてボールを引っ張るのが、この選手の打撃スタイル。そのため内角の球を長打に結びつけるのは得意なはずですが、外角の球を我慢して捌くことに課題を抱えるタイプだと考えられます。  この選手は、前の足を軽くベース側に置き構えます。仕掛けは、「平均的な仕掛け」を採用しているように、中距離・ポイントゲッタータイプ。足を引き上げてから、地面を捉えるまでの「間」が取れているので、ボールを捉えるポイントはけして少なくありません。ただベースから離れたところに踏み出すアウトステップ打者であり、内角を意識した打撃をします。また踏み込んだ足下が、インパクトの際にブレてしまうので、どうしても外の球に対し開きが早くなって対応できません。当然これでは、右方向への打撃は期待できません。  打撃の準備段階である「トップ」を作るのも、少し遅れ気味です。これだと一定レベル以上の球速・キレに対し差し込まれる可能性は高いです。神宮大会でも、釜田(金沢)投手のスピードボールに対応仕切れなかったのは、この部分が影響していたのかもしれません。バットを振り出す時に肘が下がってしまい、腰の開きを誘発します。スイング軌道も大きな弧は描けているのですが、スイングが波打って安定しません。現状打てる球は、真ん中~内角よりの力のないボールに限定されてしまうのではないのでしょうか。頭の動きは小さいので目線は安定しやすいですし、軸足自体にも強さを感じます。しっかり捉えた打球は強烈なのでしょう。まずは、踏み込んだ足下がインパクトの際にブレない、下半身と上半身のバランスの取れたスイングを身につけることから始めたいですね。ただ彼の持ち味である、真ん中~内角の球を引っ張る時は、これにこだわる必要はありません。返って身体が抜けなくなり、内角の球も捌けなくなってしまうので。
更新日時:2011.02.13

将来の可能性

180センチ台で、動ける身体能力を持っている貴重な存在です。しかし現状は、守備にも打撃にも課題を多く抱えることがわかってきました。果たして選抜では、課題がどの程度改善されているのか注目したいと思います。 非常に打力のある東北高校において、3番・遊撃手を任されている高い潜在能力。ただ少し長い目で見守ってみたい、選手だと思います。
更新日時:2011.02.13

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