高橋 洸選手 (日本文理)

高橋 洸

球歴:日本文理

都道府県:新潟

ポジション:投手, 三塁手

投打:右 / 右

身長:183.0 cm

体重:75.0 kg

学年:卒業

寸評

 今まで高橋 洸のことを野手としてしっかりと見たことがなかった。2年夏までは投手。テークバックの大きいアーム式のフォームだったが、それでも威力のある速球を投げ込んでおり、投手として評価していた。野手として一通り見てきたが、プロは時期尚早という見方であった。 彼は腕っ節が強く、ヘッドが利いて思い切り振り抜いた時の打球は素晴らしい。そして183センチの体格にして足もかなり速い。巨人のスカウトはバットを振る力、足、肩を評価したようだ。器用さはなく、大成までに時間がかかりそうだが、一つ自分の技術を身につけたら安定して力を発揮出来る選手になるのではないだろうか。普通の選手の成長曲線はあまり期待しない方がいい。でも我慢強く見守るだけのポテンシャルは持った選手であるということは確かだ。 (打撃)  彼が野手として指名されたのは最後の夏で成長を見せていることだ。甲子園では吉永 健太朗からタイムリーヒットを放ち、予選では3本塁打、11打点、打率.400と高い数字を残している。予選から具に観察してきたスカウトの前でこれほどパフォーマンスをしているのならば、評価は格段と高まっていてもおかしくないだろう。現場の間では高い評価を受けてきたことがうかがえる。  スタンスはスクエアスタンス。グリップは肩の位置に置いて、背筋を伸ばし、少し重心を下げて構えている。以前よりも力みを感じない素直な構えになり、集中力を感じる構えになっている。  彼は手元まで引き付けて強烈なヘッドスピードで叩いていく狙いなのか。始動の仕掛けは投手の足が着地し、リリースの手前で仕掛けるほどの極端な遅さ。仕掛けのタイミングが遅く、レベルの高い投手の対応に時間をかけているだろう。ロスのある動作の弊害は短期間ではなく、レベルの高い投手と長期間対戦していって気づくことになるだろう。  始動の仕掛けが遅いために足上げ自体は小さく、トップを見ていくとバックスイングは小さく、ロスがないように見えるが、急ぎ急ぎの形で作ってしまってしまい、ばたついた動作になっている。懐が深い構えだが、木製バットに置き換えると苦しむことが考えられる。  スイングは以前よりも鋭くなり、迫力が出てきた。彼のスイングはレベルスイング気味。ボールを叩くようなスイングだ。たまに上から叩こうとして波を打ったスイングいる。柔軟性を感じるスイングでもなく、変化球を捉えられる器用さもない。プロの投手に対応出来るかが不安を感じる。  しっかりと打てている時はインパクト時に踏み込んだ足元が開かずに振り抜くことが出来ているが、まだ緩急をつけられると翻弄されて空振りを繰り返すパターンが目立つ。打てるコースは限られており、身につけなければならない課題は多い。 (守備・走塁)  打球に対する反応はまずまず。フットワークは軽快ではなく、まだバタつきが見られる。身体が大きいので、小さい選手に比べて俊敏さを感じないのが仕方ない。ただ彼はどんなボールにでも恐れずに止めにいく勇気があるのは良い。地肩は投手経験ということで、かなり強い。スローイングも正確性もある。 外野手向きの選手と思ってしまうが、今はサード、ショート辺りをやらせて、内野手として必要なフットワークを徹底的に鍛えるべきであると思っている。まず彼はその使い方を徹底的に覚え込むべきだ。まだ内野手に専念して、一年ばかりなのだから。 塁間タイムは4.10秒~4.20秒前後を計測。右打者にしてこのタイムは速いタイムである。ストライドが大きく、力強い走りを見せている。県大会では2盗塁。抜群のスタートが切れた時のスピードは本当に速く。盗塁の意識を高めれば、年間10盗塁前後は出来る脚力は備えている。ここからはセンスの問題になるが、生き残りたいならば貪欲になるべきだ。
更新日時:2012.01.26

将来の可能性

 走攻守のポテンシャルの高さはドラフト候補クラス。だが技術的な欠点が多く、何でも器用にこなす選手ではないので、一軍で活躍出来るには5,6年はかかる選手だと思う。器用さはない。でもどんな球にでも恐れずに捕りにいくメンタリティがこれからも貫き通すことが出来れば、ちょっとしたきっかけで急成長を見せる選手であると思う。苦労して掴んだ技術は本人が怠ることがなければ、安定して力を発揮出来るからだ。  最近の巨人が指名する野手の傾向として野球センスが優れた小兵タイプが指名される傾向が目立ったが、大型内野手を指名したのは大田泰志以来ではないか。タイプは違うが、不器用で、時間がかかるところは似通っているだろう。巨人の内野手層は薄いが、その薄さをFA・トレード・外国人で補えるほどの財力があるチームなので、彼がそこまで面倒を見てもらえるかは分からないが、とにかく必死に生き残って見せる姿勢が大事だ。  もし彼がこのまま投手だったら、プロ入りはなかったのかもしれない。選抜のプレーを見て、プロ入りは想像出来なかった。まさかの連続である。プロでもまさかと思わせる成長を見せ、一軍で活躍を果たすことが出来るか注目していきたい。
更新日時:2012.01.26

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