高階 隼選手 (静岡)

高階 隼

球歴:静岡

都道府県:静岡

ポジション:外野手

投打:右 / 右

身長:179.0 cm

体重:75.0 kg

学年:卒業

寸評

 静岡の核弾頭。春の大会ではサイクルヒット。夏でも2試合連続本塁打を記録するなど長打力を売りとした外野手だ。嵌ったときの爆発力は止められないものがあり、彼の魅力といえるだろう。 (打撃) ハマったら怖い打者。習志野バッテリーは彼を要警戒しており、徹底としたインコース攻めでノーヒットに抑えた。習志野バッテリーは彼の打撃を事前に分析しており、欠点を察知した配球であった。 スタンスはスクエアスタンス。背筋を伸ばしてグリップを高い位置に置いて構えている。投手の足が着地したところから仕掛けるスタイル。トップの動きをぐいっと深く取っていくが、ヘッドが投手方向へ倒れてしまっており、差し込まれやすい。ヘッドの倒れがインコースを捌くのにロスが生じており、特にインハイのストレートにはかなり窮屈になっている。腕を柔軟に使える使い方をしなければこの先でも変わることはない。 踏み込んだ足がぶれることなく、スイング軌道自体も外回りのスイングにならず、外角の球はしっかりと捌くことができるスイングに見えるが、やはりインコースには窮屈になる打ち方だ。緩い変化球、半速球には打ち返せるスイングだと思うが、一定レベルの速球になると打ち返せないのは想像できたが、泉澤のインハイの速球にはまり、内角を意識したところで外角のスライダーで外されて空振りをする悪循環。小手先の投球をして甘く入った球を逃さずに打ち返す打撃が得意な感じに見えたが、泉澤のように馬力で押していく投手と対戦すると全く太刀打ちできない打撃スタイルは改善すべきだ。 (守備・走塁) 打球に対する反応はまずまずで、守備範囲は俊足系ということで軽やかに守っている印象を受けた。 塁間タイムは右打者として4.40秒前後を計測。左打者ならば4.10秒前後で中々の俊足といえるだろう。盗塁センスについては静岡大会で盗塁0ということを考えると積極的に走る選手ではないようだ。
更新日時:2011.08.23

将来の可能性

 身体能力は高く、走攻守で大きな癖は見当たらず、レベルの高い選手のように見えるが、何度もインコースを攻められて、その上で何かを工夫して打ち崩すのが上のステージで活躍する選手に求められる賢さ。この日の内容を振りかえると同じコースを何度も攻められながらも対処できないのは対応力に疑問を感じてしまう。上のレベルでも続ける素質はあると思うが、投手のタイプによって何か工夫したりする姿勢が見えないと厳しい。とにかくインサイドを打つ技術を高めるために腕の使い方をもう一度見直すべきだろう。 目に付いた欠点というのはそれだけなので、真摯に向き合って欠点を解消することができれば、大学でアスリート型の外野手としての活躍が期待できるのではないだろうか。
更新日時:2011.08.23

寸評

  東海地区屈指の外野手として、プロ注目の 高階 隼 。三拍子揃ったプレーヤーだと言うことだったが、甲子園では泉沢涼太習志野)投手の厳しい内角攻めにあい結果を残すことができなかった。一体何に問題があったのか?改めて考えてみたい。 (守備・走塁面)  この選手の売りは、守備・走力・打撃の三拍子のバランスに優れている点だ。一塁までの塁間は、右打者ながら4.25秒前後、これを左打者に換算すると.3.95秒前後の脚力に相当し、プロでも上位レベル。ただそれだけの脚力がありながら、静岡大会の6試合で、盗塁は0 。ここに一つ、大きな疑問が残る。  右翼手としてのポジションニング、打球への追い方、キャッチングなどを観る限り、アスリート系の勘の良さを感じさせる。ハッキリとはわからなかったが、返球する送球からも、肩は水準以上ものがあるのは間違いなさそうだ。少なくても、守備・走力のポテンシャルは、かなり高いと見て好い。 (打撃内容)  ただ肝心の打撃の対応力には、疑問を残す内容だった。と言うのも、習志野バッテリーは4打席とも内角高めを突く配球を徹底させ、同じように仕留められたことを考えると、融通性に欠けると言うか対応する能力がないのではないかと思えてならない。そういった発想の貧弱さは、上のレベルでも大いに苦労する要因になるだろう。静岡県予選では、2本塁打・5打点・打率.348厘の数字を残せたが、全国の強豪校は欠点を見逃さなかった。  スクエアスタンスで、グリップを高めに添えた強打者スタイル。気になるのは、顔が正面を向かず少しクローズ気味になり、ボールをすっかり見据えられていない点。また構えに力みが感じられ、非常に硬い印象を受けるのだ。実際に、打撃そのものも硬かったわけだが・・・。  始動は、中距離打者が採用するタイミングで動き出すことからも、ある程度の長打力と対応力をバランス好く備えた勝負強さが売りのタイプ。足を引き上げまわし込む「間」というものがあり、打てるポイントは少なくない。またベース側にしっかり踏み込み、インパクトの際に足下がブレないなど外の球をきっちり叩ける形ができている。ただベース側に踏み込む分、内角の捌きが窮屈になり、上手くバットが振り抜けない。ただ四打席とも同じ攻めをされるのがわかっているのならば、もう少しベースから離れて立つとか、いろいろ対処の仕方はあったと思う。その辺に全く工夫が見られなかったのは残念。  あらかじめ「トップ」の位置にグリップを添えており、振り遅れる心配はない。その分グリップに遊びがなく、柔軟性に欠ける打撃になる。上からボールを捉えるまで無駄なく振り下ろされているが、懐に余裕がなく内角の球が捌けない。それほどスイング弧が大きいとか、フォロースルーが上手く使うタイプではなく、コンパクトに振り切るスイングなのだろう。目線の動きは平均的だが、体の開きは我慢でき、軸足も安定している。技術的には、非常にしっかりしたものは持っている。
更新日時:2011.08.11

将来の可能性

 教科書通りのスイングの基本はできている。ただそれは、あくまでも外角の球を捌くと言う、打撃に基本に乗っ取った形でのみで。すなわち内角を捌くための術には、また別の技術が必要であり、そういった工夫が見られない打撃は正直心配にはなる。内角を綺麗に捌けないならば、相手に同じように投げさせない工夫すべきであり、そういった発想にならないのが、構えの硬さ同様に頭の硬さにも表れている。これから上の世界というのは、高校まで違い同じ相手と何度も頻繁にあたる世界。そこで生き残るためには、日々進化して行ける想像力を膨らませるセンスが求められる。  守備・走力・打撃技術と言う観点では、充分にドラフト候補と呼べるに相応しい選手ではある。これからは、自分の打撃を広げて行く方法を模索し、いろいろな引き出すを持つべきだろう。その術を見つけることが、彼の今後やるべきこと。それができた時、彼にはプロと言う世界が広がってくるだろう。
更新日時:2011.08.11

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