三好 匠選手 (九州国際大付)

三好 匠

球歴:九州国際大付

都道府県:福岡

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:173.0 cm

体重:75.0 kg

学年:卒業

寸評

 2対1と追い詰められた関西戦。九州国際大付のエース三好 匠は一死から火を噴くようなサード強襲の二塁打を放った。打撃センスの高さ・滞空時間の長い本塁打を打つ長打力を高く評価していた。それ以上にここ一番で打てる勝負強さ・精神的な強さが何よりの売りである。彼は普段の姿とプレー中の姿が一変する。私は昨年の5月に彼を見たことがある。JR東日本の[stadium]柏グラウンド[/stadium]で見かけたことがあるが、人懐っこい笑顔が印象的で、普通の高校生。しかしグラウンドに入ると熱い男に一変する。自信に満ち溢れており、大きく見える選手なのだ。彼は夏の大会前に腎臓の病気により、走ることもままならなかった男である。それを感じさせないプレーが出来るメンタリティの強さはまさにプロ向きの男である。 (打撃)  彼の打撃センスは1年夏から光っていた。安打を量産し、140キロ台の速球にも振り負けない打撃センスの良さには惹かれるものはあったが、九州国際大付属の大エースとして君臨するとは予想できなかったし、本塁打を量産出来る打者になるとも想像できなかった。 スタンスはスクエアスタンス。グリップを高めにおいて構えている。投手の足の下ろしに合わせて始動を仕掛けていき、しっかりと上げて真っ直ぐ踏み込んでいく。トップの動きを見ていくと捕手側方向に引いていく。やや頭の後ろへ移動しており、インコースの捌きは窮屈になる可能性は高いので右ひじの使い方が重要になってくる。インコースの対応は木製バットに置き換えて、実際に今の腕の使い方ではインコースで詰まることを実感して、インコースにも対応出来るバットスイングが出来ればいいだろう。彼はインコース打ちが出来るリストワークの巧さとセンスの良さがある。 コンパクトなスイングだった高校1年生の頃に比べるとスイング自体は1年時ときよりも弧が大きいスイングになり、押し込みが強く、フォロスルーが大きくなり遠くへ打球を運ぶスイングになってきた。スイングが大きいので、プロでは無駄な動きを省いたコンパクトなスイングになっていきそうだ。彼はストレートだけではなく、変化球の対応力の高さも非凡な点である。彼は関西戦で縦の変化球をインサイドアウトで振り抜き、2安打。三遊間を痛烈に抜けるシングルヒット、サードのグラブを弾く強烈な打球であった。 また身体が開かずにスイングする体勢が取れている。踏み込んだ足元がぶれずにフォロスルーまで最後まで綺麗に振り抜くことが出来ている。技術的な完成度は高い。 塁間タイムは4.4秒前後。右打者に換算すると4.1秒前後でまずまずの俊足といえるが、盗塁を積極的に狙っていく選手ではない。夏ではそこまで無理出来る状態ではなかったのかもしれない。プロでは足をそこまで売りに出すような選手ではなさそうだ。 フィールディングの動きを見ると率なくこなしており、筋の良い動きを見せている。プロでは内野手を務めることになりそうだが、務まるだけのセンスはありそうだ。福岡国際大付は股関節を重点的に鍛える学校。内野手に求められる体格的な素質は備わっているので、あとはプロの指導によりどれだけスキルアップ出来るかになりそうだ。
更新日時:2012.01.18

将来の可能性

 楽天は若年層の内野手。センターラインを担うセカンド・ショートは手薄なので、彼にとって大きなチャンスともいえる。彼は野球選手としては小柄だが、スイングスピードの速さ、リストワークの巧さ、完成度の高い投球から伺える野球センスの良さ、リストの強さと補う能力は秘めている。守備も鍛えこんでいけばそれなりのレベルに達する素地の良さもある。何よりも腎臓の持病により県大会であまり登板出来なかったのにかかわらず、素晴らしい投球が出来る精神的な強さも買いである。   課題としてはグリップが入りすぎによるインコースの捌き。これは時間をかけていけば、修正出来る欠点であると思う。まず一年目はプロのスピードに慣れ、一年間耐えうる体力を築き上げることだろう。二年目以降からファームの試合出場を増やしていき、実力を伸ばしていって、3年目に一軍昇格が理想のラインではないだろうか。なんとかやってやる!という強いメンタリティを持った三好は人の良い選手が多い楽天にとっては目立つ存在になるだろう。ぜひ這い上がって活躍を見せてほしいプレーヤーだ!
更新日時:2012.01.18

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