納冨 竜一選手 (樟南)
寸評
今年の鹿児島には、鹿児島城西時代の 細山田 武史(ベイスターズ) 捕手を彷彿とさせるセンス溢れる捕手がいる。その名前は、納富 竜一 。昨秋は、故障のため、自慢のプレーを思う存分を発揮できずに終わった。それだけに、最後の夏に期する思いは強いのだろう。 (ディフェンス面) ミットを投手にしっかり示し、グラブを余計に動かさない。そのため投げ込む投手としては、実に的を絞りやすい。またグラブを下げないで捕球しに行くので、低めの球へも素早く対応、ワンバウンド処理なども実に上手い。グラブ捌きに優れフットワークなども機敏で、次の動作への切り返しが早いのが特徴。プレー一つ一つに、高い野球センスを感じさせる。 (打撃内容) 課題は、上のレベルを意識すると物足りない打撃の弱さ。軽くクロスに構え、あらかじめグリップを捕手側に引いて構えます。投手の重心が下がり始める時に動き出し、早めに始動するタイプ。このタイプは、典型的なアベレージヒッターに見られる傾向です。早めに動き出しても、足をほとんど浮かさずに地面をなぞるようにしてから踏み込みます。始動から着地までの「間」が取れているので、打てるポイントの球は多いはず。更に真っ直ぐ踏み込んだ足下は、なんとかブレないでスイングできています。そのため、外角の球でも右方向へ打ち返すことができるのでしょう。 あらかじめ捕手方向にグリップを引いているので、トップを作るのは遅くはありません。少し肘が下がってバットが出てくるので、腰の逃げが早いです。それでもバットの先端が下がらないようにスイングすることを心がけており、体の横で切るようなスイングにはなっておりますが、ドアスイングと言うほどではありません。目線のブレは小さいのですが、体の開きは早いスイング。それでも足下がブレないで我慢できているので、真ん中~高めの外角の球には食らいつくことができます。
更新日時:2011.05.24
将来の可能性
スイングには弱さが感じられ、あまり打撃が売りの選手ではないようです。むしろ非凡な捕手センスを活かしたプレーが自慢なのでしょう。その辺が、最終学年で何処まで改善されているのかがポイントだと思います。 その野球センスからも、中央の強豪大学でプレーできる才能の持ち主だと評価いたします。ただそこで活躍するためには、最低限の打力は身につけたいところ。腰の逃げの早いスイングが改善できれば、けしてミートセンスは悪くないだけに期待は持てます。全国指折りの左腕・戸田 隆矢をリードして、ぜひチームを甲子園まで導いて欲しいと期待します。
更新日時:2011.05.24
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