山内 達也選手 (横浜)

山内 達也

球歴:横浜

都道府県:神奈川

ポジション:投手

投打:左 / 左

身長:183.0 cm

体重:86.0 kg

学年:卒業

寸評

 全国屈指の強豪校・横浜高校において、一年生からマウンドに上がる経験豊富なサウスポー。選抜では、エースナンバーを背負い初の甲子園に挑みました。しかしそのデビュー戦は、5回を5安打・7四死球・4失点とほろ苦いものとなりました。 (投球内容)  元々180センチ台の大型サウスポーであるものの、バランスの取れたフォームこそあれ、球威・球速など力でねじ伏せる投手ではありません。バランスの取れたフォームから、ボールを両コーナーに散らせて、打たせて取るのが身上です。それにしても選抜では、球速も125~130キロ程度と思いのほか身体のキレが悪い内容。ストレートにもキレは感じませんでしたし、高めに抜ける球も少なくありませんでした。普段は、投球回数の1/3以下の四死球しか与えない投手が、この日は5イニングで7四死球だったのですから、如何に平常心で投げられなかったのかが伺われます。  変化球は、カーブ・スライダー・スクリューボールなど一通りの球種を持ち合わせます。しかしストレートを含めて、これといった球がないのも確かで、全国レベルで苦労したのもある意味必然だったのかもしれません。左腕らしく牽制はそれなりに上手く、クィックは1.1秒前後とかなり素早く投げ込めます。フィールディングなども含めて、名門の投手だけに、その辺は抜かりはありません。中学時代から経験豊富なのでしょう、マウンド捌きも実に洗練されています。そんな彼でも、平常心が保てない特別な場所、それが甲子園なのです。 (投球フォーム)  足を空中で伸ばす時に、地面に向かって伸ばします。そのため、お尻を三塁側(左投手の場合は)にしっかり落とせるフォームではありません。将来的に、上のレベルで通用するような見分けの難しいカーブや縦に鋭く落ちるフォークのような球種が修得できるのかは微妙でしょう。またそれ以上に、「着地」までの間が作れないので、どうしても身体をひねり出す時間が稼げません。そうなると良い変化球を、なかなか身につけることができないのです。そのため彼には、あまり絶対的な変化球が身につけられないだと考えられます。  グラブは比較的最後まで身体の近くにあるので、両サイドの制球は安定しております。足の甲での押しつけも悪くないのですが、ややストレートが高めに抜けていたのは気になりました。元来はもっと、低めに押し込めるはずなのですが。腕の角度もある割に、それほど無理して投げ込んでいる感じはありません。身体への負担は大きくなさそうなので、故障への不安は少なそうです。 「着地」した時点では、ボールは打者から見え始めていません。すなわち身体の開きが早すぎることはないと思われます。「球持ち」も悪くなさそうですが、「着地」と「体重移動」に課題を抱えます。「着地」までの粘りがないので、打者からはタイミングが合わせやすいです。更に「体重移動」がもう少し上手くなり、前にグッと体重が乗って来るようだと、もっと手元まで活きた球を投げ込めるようになるでしょう。
更新日時:2011.04.08

将来の可能性

  新2年生ではありますが、すでに投手としての型がある程度出来上がっている投手です。そのため今後爆発的に球速を伸ばすとか、そういったタイプではないように思えます。ただ、この選抜の内容は悪すぎ。もう一度ストレートのキレや制球力やテンポなどを、一から取り戻すことが求められます。  今のままでは、単なる早熟投手として終わる可能性も捨てきれません。現状は、来年のドラフト候補と言うよりは大学タイプの好投手です。まずは、足下を見つめ直した上で、更なる高嶺を目指して欲しいと思います。上手くて立て直しに成功すれば、世代を代表する好投手になることでしょう。まずは、もう少し粘っこい投球を期待して、更なる進化を見つめて行きたいと思います。
更新日時:2011.04.08

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