乙坂 智選手 (横浜)

乙坂 智

球歴:横浜

都道府県:神奈川

ポジション:外野手

投打:右 / 左

身長:183.0 cm

体重:76.0 kg

学年:卒業

寸評

 米国人の血が流れる血筋を生かし、高い身体能力が魅力の外野手。その身体能力が買われ、プロからも注目されてきた逸材が、最後の夏を迎える。この春からの変化を中心に、今回も考えてみたい。 (守備・走塁面)  物凄く守備範囲が広いとか、キャッチングがうまいとかいう凄さは感じませんが、ソツなくこなせる余裕のあるプレーが魅力。地肩もまずまず強く、守備に関しては、どのレベルの野球に入っても、問題なくやって行ける能力がすでに備わっています。  一塁までの塁間を4.1秒で走り抜ける脚力はありますし、実際インステップして踏み込んでから走り出すので、そのタイム以上に速い走力があると考えられます。ただ神奈川予選の7試合で、盗塁は0個。新チーム結成以来から選抜までの間に、55試合で23盗塁を決めた走塁は陰を潜めたのが残念。守備・走力の潜在能力は高いのですが、それを全面に出すことには、まだまだ物足りないものを感じます。 (打撃内容)  大きな変化は、打撃に見られました。スクエアスタンスで、グリップを下げ気味に構えます。打席の中ではリラックスして構えることに心がけておりますが、腰が全く座らずに構えるので、力感が感じられません。実際にスイング全体でも、腰高で腰の入りが弱い点が、この選手の物足りさを象徴しています。早めに始動する、アベレージ打者の傾向が見られ、ここまでは、選抜とほとんど変わりませんでした。  足を軽く浮かし回しこむ「間」が取れているので、打てるポイントは多く、いろいろな球に対応できます。打球の弱々しさを補う意味なのか、ベース側にインステップして踏み込むことで、外の球も強く叩けるようになりました。その変わり、内角の捌きが窮屈な傾向が見られます。それでも踏み込んだ足元が、インパクトの際にブレなくなり、体の開きが我慢できるようになったのは大きな成長です。左のアベレージヒッターですから、インステップではなく以前のように真っ直ぐ踏み出した方が、内角の捌きも楽になるのではないのでしょうか。  あらかじめトップの位置に近い場所にグリップを添えておりますが、ここにも力みが感じられないのは良いところ。上からミートポイントまで、無駄なくボールを捉えられます。何より春からの成長は、スイングする際にインパクトの瞬間だけにお力を入れて撃ち抜くという、力の加減を覚えたところでしょうか。大きな弧を描きながら、最後まで振り抜きます。足の上げ下げが小さいので、目線も安定。体の開きの我慢できるようになりましたが、ただ軸足がフニャフニャして、安定しないのが気になります。  ただ体の開きを抑えられるようになり、力の加減も覚えたことで、スイングの非力感が少なくなりました。ただまだ軸足を中心とした、芯の部分が弱いので、その辺がこれからの課題ではないのでしょうか。
更新日時:2011.08.20

将来の可能性

 高い身体能力や才能にかまけていた印象があったのですが、春~夏の間に意識に変化が見られ始めました。まだまだ守備・走力への貪欲さが見られないのは残念でしたが、打撃では少しでも良くなろうと言う努力のあとが見られたのには好感が持てます。  大学や社会人あたりで、本気で野球に取り組む意識が持てたならば、3~4年後には見違えるほどよくなり、プロ入りも現実味を帯びてくるのではないのでしょうか。まずは、理屈ではなく実際に体を動かしてみる。そこから、また新たなものが見えて来ることがわかってくれば、人間的にも幅が出てくると思います。まずは、最初の一歩を踏み出す勇気を身につけて欲しいと思います。持ち得る才能は、プロでもやって行けるものを持っているのですから。
更新日時:2011.08.20

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