堀 瑞輝選手 (広島新庄)

堀 瑞輝

球歴:広島新庄

都道府県:広島

ポジション:投手

投打:左 / 左

身長:177.0 cm

体重:72.0 kg

学年:卒業

短評

観戦レポートより抜粋(2016年10月4日)  広島新庄にとってこの日、二度目の試合。投手をどう運用するかが大事になるが、エース・堀瑞輝の登板状況が一番注目されたが、やはり登板となった。登板するには、僅差のリードであること。迫田監督は、点差が離れているようならば、登板させるつもりはなく、また本日2試合目の登板についても本人に確認を取って投げることを決めたという。堀は「おそらく登板があるだろうなと思って心づもりはしていました」と覚悟を決めていた様子だ。  そこからの堀の行動は素晴らしく、迫田監督に言われるまでもなく、試合序盤からキャッチボールを行っている。しっかりと準備をしていた選手なのだ。また、高校野球の特別規則で変則ダブルヘッダーになったとき、投手が登板できるイニング数は両試合を通じて合計15 イニング以内。堀は2回戦で9試合を投げているので、残り5イニングしか投げることができない。  それ以外の投手が4回以上投げなければ、堀を投げさせることはできないのだ。前述したように、堀が投げる場面は僅差でリードしている場面。 そして7回裏、一死三塁の場面で堀が登板した。堀は、この試合、二度目の登板ということもありストレート抑え目。スライダー多めの配球で勝負、二者連続三振にきってとりピンチを切り抜けた。  堀は8回裏にも最速147キロを計測するなど、連投の影響は感じさせない投球。スライダーもキレキレで、くらいつく聖光学院打線は2.2回を投げて4奪三振。計2試合で18奪三振とまさに最後まで堀の独り舞台であった  堀の投球のクオリティが落ちないのはしっかりとした理由があり、それは投球フォームが良いから。迫田監督も連投ができる投手、できない投手と見極めており、堀は連投が利く投手として登板させている。 「彼は過去の大会から100球以上投げても次の日には投げられる投手。100球投げてしまうと、その次の日は全く投げられない投手もいます。その違いはフォームにあって、堀は負担が少ないフォームで投げられる投手だと思います」と語るように、堀の投球フォームを見ると、左スリークォーターに見えるが、肘が下がらず、いわゆるゼロポジションの位置をキープしたまま投げられる投手である。腕の振りを見ても外回りをすることなく内回りで、身体の回転を上手く連動して投げることができるの、しっかりと力を伝えることができて、さらに体への負担も少ない状態で投げることができるのである。

 これは堀にとって大きな強みで、能力は素晴らしいだけではなく、壊れにくいというところも示した試合であった。  敗れた聖光学院の斎藤監督は、「よく堀を出させた試合でした。堀を出して勝てばうちにとってとても意義のある試合でしたが、敗れて潔く引かざるを得ない。そんな試合でした。それでも最後は食らいついていたところを見せていたし良かったじゃないかな」と試合に敗れても堀を出させる状況にした選手たちの頑張りをたたえていた。  連投になっても堀の投球は凄かったと聖光学院の選手たちが話しており、主将の松本は、「今まで対戦してきた投手の中でも一番でした。速球の勢い、変化球の切れ、出所の見難さ。本当に凄い投手でした」と脱帽している様子であった。

更新日時:2016.10.13

短評

観戦レポートより抜粋(2016年10月4日) まさに堀瑞輝の独り舞台であった。  2回表、1番杉村 泰嘉の3ランで先制した広島新庄。その後、6回表にも1点を追加し、4対0とリード。広島新庄のエース・堀瑞輝にとっては十分すぎる援護点だった。今日はストレートの調子が良いと実感していた堀はストレートを軸に投球を組み立てる。左スリークォーターから投げ込む直球は常時130キロ後半~140キロ前半を計測。そのストレートを外角ギリギリにコントロールできるのだから打者はたまったものではない。そして120キロ後半のスライダー、120キロ台のツーシーム、チェンジアップ、100キロ台のカーブも低めに決まるので、強打の東邦打線は完全に沈黙した。  いつでも140キロを出せる馬力の大きさは見事で、130キロ後半がやっとだった昨年と比べるとだいぶ伸びているのが実感できる。
 U-18からストレートの勢いはだいぶ素晴らしかったが、国体の舞台でもしっかりと調整できているのが素晴らしい。U-18終了後、どう調整していったかというと、まず大会終了後の1週間は完全オフ。その後、徐々にキャッチボールを初めてペースアップさせて大会に臨んでいるように、自覚をもって大会に入っているのが分かる。  3年生と一緒に戦う最後の大会。楽しんで終わりたいという思いで、この大会に臨んでいる堀は、どこかリラックスした状態で、硬さがないのも好投ができている要因だろう。国体は代表校の宿舎が同じで、前日、東邦藤嶋健人といろいろな会話を交わすほどの仲の良さ。
「健人とはストレートで勝負で行こうと思いました」と語るように、藤嶋には全力投球。4回表の第2打席で、最速148キロ(中継局のガンで150キロ)を計測したが、明らかに勢いが違うストレートであった。こんなストレートを投げ込めるほどの体力があったんだなと気付かされるシーンであった。かといってすべてストレート勝負というわけではなく、7回裏の第3打席は100キロ台のカーブを見せてから、内角へ140キロ台のストレートを見せる投球。堀はストレート中心で良いと思っていたようだが、勝つことに徹した捕手・古本 幸希のナイスリードもあり、三振の山を築いていく。  最後、松山仁彦に適時二塁打を打たれ、1点を失ったが、4番藤嶋を中飛に打ち取り、14奪三振完投勝利。
 ドラフト上位候補と目される堀だが、この時期で自己最速タイを計測するあたり、目的意識をもって調整ができているように感じる。いずれプロで勝負する左腕であると思うが、1つの大会に合わせてしっかりと標準を合わせる意識の高さは、かなり大きなアドバンテージとなっていくのではないだろうか。
更新日時:2016.10.13

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です