杉原 竜希選手 (北大津)

寸評

　中学時代は、ボーイズの日本代表の主将で4番も務めていたという強打者。この夏は、4番・一塁手として出場。2015年度の、滋賀を代表する強打者として期待される。 （第一印象） 　ガッチリした体格から、パワフルな打撃が持ち味。特に初球から、ガンガン振って来る積極的なバッティングが目を惹く。 （守備・走塁面） 　右打席から一塁までの到達タイムは、4.75秒ぐらいと足は正直期待できない。これを左打者に換算しても4.5秒ぐらいに相当し、かなり遅い部類。 　守備位置も一塁とポジションは限られそうだが、打球への反応・ボール捌きなどを見ていると、結構俊敏な印象は受ける。一塁手としては、けして下手ではないのだろう。将来に向けて、三塁まで出来るようだとアピールもできるのだが。 （打撃内容） 　打球は、どの方向に飛ばす幅の広さがあります。それほど打球を遠くに飛ばすというよりは、強烈な打球で野手の間をという中距離ヒッターなのかもしれません。 ＜構え＞　☆☆☆☆ 　前足を引いて、グリップの高さは平均的。腰がしっかり安定しており、全体のバランス・両目で前を見据える姿勢は並ぐらいも、アゴをグッと引いて高い集中力を感じます。いかにも打席では、強打者だという臭いがプンプンとしてきます。 ＜始動＞　遅すぎ 　投手の重心が下がる時にベース側につま先立ちし、リリース直前に本格的に動き出すなど、遅すぎるのが気になります。ここまで遅いと、一定レベル以上の球速・キレのある球に立ち遅れる心配は否めません。 ＜下半身＞　☆☆☆ 　始動～着地までの「間」が短すぎるので、打てるタイミングは点になり限られます。あらかじめ狙い球を絞り、その球を逃さないことが求められます。踏み込んだ足元はブレないので、外角や低めの球にも食らいつけます。 ＜上半身＞　☆☆☆ 　打撃の準備である「トップ」を作るのは自然体で、力むことなくボールを捌けるのは良いところ。バットの振り出しは平均的で、先端であるヘッドも下がらないので大きなロスはありません。スイングの弧はそれほど大きくありませんが、思いっきり良くインパクトに力を集約できています。 ＜軸＞　☆☆☆☆ 　足の上げ下げは小さく、それほど目線も動いていません。体の開きも我慢出来ていますし、軸足も地面から強く伸びています。軸が安定していることが、この選手の一番の良さではないのでしょうか。

将来の可能性

　守備‥走塁でのアピール度は低いのですが、強打者としては非凡なものを感じます。強打者の割にスイングの弧が小さめなのは気になりますが、打撃で勝負できる素材でしょう。ドラフト候補とかそういった凄みは感じませんが、こういった強打者タイプが育つような球界にならないといけないと思います。それだけに彼の今後は、多いに気になるところ。来年までにどのぐらい凄みを増すのか、注目してゆきたいですね。