宮野 想生選手

寸評

春夏連覇した興南の不動の４番打者。２年夏・３年春と強烈なホームランを放つなど、痛烈な打球を放てることが大きな魅力です。 ＜高校時代の印象＞ グリップの位置は耳の辺りと高めに添え、バットを立たせ予め捕手寄りに引いているものの、かなり後ろに引いて構える選手です。 軽く開いてオープン気味に構え、腰を落とし膝にも余裕があるので無駄な力が入っているようには感じませんし、投手もある程度見ることができていると思います。 投手が足を卸す直前くらいに始動を始め、ほとんど足を上げず、グリップを内へ移動させ振ってきます。 リストワークにそれほど柔らかさを感じさせませんが、腰の回転も力強く非常に強烈なスイングで、フォロースルーも深めにとってくるので嵌れば長打がでるのもうなずけるスイングです。 腰の開きはやや早いかなと思いますが、つま先に開きはある程度抑えられているので膝はあまり開きません。また踏み込んだ足元も崩れてはいません。 頭の位置は前に動いてしまう部分が見られます。 膝は柔らかく使えないわけではないのですが、下半身全体を上手く使えていないかなと思います。 スイングは強烈ですが堅さがありますし、全体的に柔軟性に欠けるような印象を受けます。またトップを深く持つ意識は悪くないと思うのですが、深すぎるかなとも感じるので、もう少し緩和させても良いのかもしれません。 嵌った時の打球には目を見張り、他の追随を許さないほどのインパクトでありそれが彼の魅力です。しかし、良くも悪くも嵌ればといった感じで、そうでない時はボテボテの当たりになるなど極端さを持っている選手です。 また、強烈なインパクトがある半面、打率が３割超えたのは3年春の九州大会と、夏の県予選だけであり、打撃成績に安定感がある選手ではありません。こういった点からも対応力が大きな課題だということができるでしょう。 守備に関しては興南で鍛えられており上手い選手です。バントダッシュなども早いですし、その処理や判断も素早く安定しています。グラブ捌きもまずまず柔らかさがありますし、肩も弱いほうではありません。 足に関しては決して早くはないですが、隙を突いた走塁を見せるなど走れない選手ではないですし、走塁面での意識は高いものがあると思います。 ただ、ポジションがらやはり打ってナンボの選手ではないでしょうか。

将来の可能性

強烈な打球を打つことができ長打力に魅力がある選手ですが、硬さがあり対応力の面では物足りず安定感に欠けます。 こういった選手はあまり小さく纏まって欲しくないと思いますが、やはり彼の場合は打力で勝負する選手なので、これからは安定した打撃をこれから求められてくると思います。こういった課題を克服していくことになれば将来的にはプロという道も開けてくるのではないでしょうか。 また、一塁だけでなく他のポジションもこなせるようになると更に可能性が広がってくると思います。 彼のこれからの活躍を期待しています！