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卒業生
横山 雄哉

横山 雄哉(山形中央)

都道府県:
高校:
学年:
2012 年卒
ポジション:
投手
投打:
左/左
身長:
182 cm
体重:
75 kg
データ最終更新日:2011年5月30日

寸評

 すらっとした投手体型から切れのある速球を投げ込む姿に1年秋からプロのスカウトに注目された逸材。身のこなしの良さ・肘の柔らかさを見れば、ドラフト候補クラスの素材であることは一目瞭然なのだが、好不調の波が激しく、個人的には好かない投手であった。そして最後の登板となった決勝戦を見たが、今年の高校生左腕の中でも上位のキレ味だった。この試合は準決勝で痛めた左中指の影響からか、3回で3失点を喫したところでマウンドを降りた。この試合の投球から将来性を考えていきたいと思う。

(投球スタイル)
ストレート マックス139キロ(2年甲子園時)
常時130キロ~136キロ
スライダー 120キロ前後
カーブ 105キロ前後
2年夏の甲子園では選抜に比べてボールの伸びが増してきており、打者がストレートに狙い球に絞っていても空振りを奪える球質に成長。回転をかけるのが実に上手い投手だと思った。3年になって注目度は減っていたが、彼のキレのあるストレートはやはりドラフト候補に値する。連投が続く決勝戦なので、ストレートの切れは本来のものではないと思うが、ドラフト指名させたくなる球筋の良さがある。体の肉が付いていけばどこまでスピードアップさせるか楽しみなものがある。将来的には140キロ台後半の速球を投げ込める腕の振りの良さ、フォームのしなやかさがあった。個人的には小嶋達也(阪神)と似ている球筋だと思った。スピード表示は選手権の数字を採用したが、あまり変わっていないと思うので、ご了承願いたい。

スライダー、カーブのキレ自体は悪くないが、精度は低く、プロで使えるかは未知数。決め球と呼べるほどのキレ味を感じない。そのため困った時はストレートしか頼れない投球の幅の狭さはあまり変わっていない。ただ変化球のコントロールが定まらないのは準決勝で怪我をした左手の中指の影響も割引いて考えるべきか。万全の指の状態ならばどんな変化球を投げることが出来るか。いつもコントロール出来ている変化球がコントロールできていなかった。判断材料が少ないので、あくまで推測なのだが、この試合で判断してしまうと変化球のレベルもまだまだという評価だ。

(打者への攻め)
・右打者
右打者には外角中心にストレート、カーブを投げ分ける配球。インコースを攻めようとするとコントロールを乱してしまっている。基本的に外角ストレートか高めのストレートで攻めていく。
・左打者
左打者には外角中心にストレート、カーブ、スライダーを投げ分けていく配球。去年はインコースを攻めることは多かったものの、アウトローに攻める割合が多くなってきた。低めを攻める意識が出てきたのは良かった。ストレートとスライダーのコンビネーションだが、スライダーが甘く入ることが多く、ストレートに頼ってしまう。そうなると攻略はしやすい投手になってしまう。外低めへ投げる意識は出てきているので、あとはインコースを攻める度胸があってほしい。


(フィールディング・クイック)
クイックは1.1秒~1.4秒前後とタイムにばらつきがある。またランナーが出ると制球を悪くする傾向があり、クイックの技術はマスターしたとは言い難い。牽制はそれほど入れるタイプではなかった。だから走られやすいし、この試合でも完全にモーションを盗まれた盗塁があった。個人的に走られやすい左投手はあまり評価できない。フィールディングの動きは良いし、身のこなしは悪くないので、意識次第による部分が大きいと思う。

(投球フォーム)
ワインドアップから入る投手。リフトアップをみると、ゆったりと右足を胸の近くまで引きあげていく。その後、二塁方向に足を送り込んで、左足にしっかりと体重を乗せて、体を溜める意識が出てきた。膝をマウンド方向へ送り、インステップしていく。膝の送りは前よりも良くなり、接地はだいぶ柔軟になり、体重移動が移行しやすいフォームになったのではないだろうか。

右腕のグラブを斜めに伸ばして、開きを抑えていく。左腕を畳むようにテークバックをしていき、しっかりとトップにもっていく。トップに入った時は頭の後ろに隠すことが出来ており、出所は見難い。キレの良さと出所の見難さが空振りを奪えるストレートを生み出しているといえる。リリース。肘が立って使うことができており、球持ちは良い。リリースにしっかりと力を伝えることが出来ており、バックスピンがかかったストレートを投げ込むことが出来ており、多くの変化球を習得できる可能性を残している。

前は踏み込み足にしっかりと体重が乗らず、膝の割れにより体重が乗らない勢いのないフィニッシュが気になっていたが、まだぐっと体重が乗らない時もあるが、以前よりも体重移動は出来るようになった。球持ちの良さ・出所の見難さ・腕の振りが優れたフォームであり、課題であった体重移動も改善しつつある。フォームの土台は良くなり、高い将来性を感じさせる。

将来の可能性

 左腕から投じる速球の切れはドラフト候補クラスのものがあった。フォームもようやく自分の型が固まってきたこともあり、低めへ制球出来るフォームになってきたのではないだろうか。まだ力む癖があってコントロールを乱すことは多いものの、キレのあるストレートを投げる感覚を掴んでいるので、体が出来て腕の振りのしなやかさを維持することが出来れば、140キロ台後半まで到達する可能性も考えられる。

 ただ投球内容を見ると完成度、制球力、変化球の精度が低く、走られないやすい欠点があるなど課題は多く、プロの一軍で使えるまでには時間がかかる印象だ。左で130キロ後半ながらストレートの切れはかなりのものがあり、フォームはしなやかで硬さはないので、将来性は高い。現状の完成度は低いが、長所は短所を補うものがあると思うので、指名の可能性も有り得ると思うが、個人的には大学・社会人に進んで実戦力を身につけて高い評価を受けてからプロ入りするのも遅くない。

 ただ指名されたからには強い志と覚悟を持って取り組まなければチャンスの可能性は減っていく。潜在能力は素晴らしいが、それを実践でアピール出来なければ、伸び悩む可能性は高い。指名されたからには覚悟を持って取り組み、一軍で活躍出来る左腕に成長を遂げることを期待している。

情報提供・文:2011.10.27  河嶋 宗一

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