諸橋 慶多選手 (新潟)
短評
観戦レポートより抜粋(2014年9月20日) 2年生からエースとして活躍し、この新チームの代では共にクリーンアップを打ち、名実ともにチームの、いや新潟県高校野球界の有力選手として注目を集めている2人。 共に右の上手だが、松坂大輔(現メッツ)のように重いストレートとスライダーの出し入れで勝負する諸橋 慶多(新潟)に対し、中村 光希 (関根学園)は岩隈(現マリナーズ)、上原(現レッドソックス)のようにキレのあるストレートを低めのコーナーに決めるというように、ピッチングスタイルは異なる。 この試合、両投手とも序盤からピンチを迎える。堪えきれず失点した諸橋に対し、なんとか踏ん張る中村。五回を終えて、諸橋は81球、被安打8、3失点。対する中村は86球を、被安打5、1失点。 だが六回以降、この構図は逆転する。ランナーを出しながらもリズム良く投げる諸橋に対し、中村は同点に追いつかれ、リズムに乗れず、球数を多く放ってしまう。八回を終えて諸橋121球、中村143球。低めを丁寧につき、コーナーにキレのあるボールを投げる中村の持ち味は、スタミナの消耗とともに鳴りを潜め、勝敗に直結した。 共に夏のチームでは、関根学園・樋口(3年)、新潟・番場(3年)という頼りになる先輩投手が、ブルペンを支えてくれた。だが新チームでは、共にエースにかかる負荷が大きくなる。2番手以降の投手の育成、そして両エースのさらなる成長がチーム躍進に欠かせなくなる。 夏の甲子園ベスト4の日本文理打線を五回0封した中村が、この敗戦を機にどのような成長を遂げるのか。そして勝ち上がった諸橋が、このあとどこまで勝ち進み、その力量を伸ばすのか。共に伸びしろ充分の両エースが、さらに大きくなって躍動する来年春、夏の大会が早くも楽しみになる、そんな1戦だった。
更新日時:2014.09.23
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