田村 勇磨選手 (日本文理)

田村 勇磨

球歴:日本文理

都道府県:新潟

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:178.0 cm

体重:70.0 kg

学年:卒業

寸評

2年生ながら日本文理のエースを務める本格派右腕。今大会一の奪三振率12.35(138.2回―182奪三振)を記録したドクターK。三振を稼ぐ要因となったのは縦に鋭く落ちるスライダー。フォークのような落ち方を見せる縦スライダーを自在にコントロールする。縦系に慣れていない高校生にとっては至難の業だ。1年夏の決勝から彼の投球を見ているが、縦のスライダーを活かした配球センスは光るものを感じさせる。縦のスライダーに頼り過ぎてしまったところがあり、ストレートが良くなかった。勝つことを追求して縦のスライダーに頼りすぎてしまえば彼の先の未来はない。1年夏の決勝からストレートがどれだけ磨きがかかっているか注目してみた。 右オーバーから投げる直球は常時130キロ~135キロ(マックス139キロ)を計測。速球の切れ・スピードは以前よりも出てきており、打者を差し込めるようになったのは収穫。まだまだなレベルだが、1年から着実に向上しているように感じる。 両サイドへきっちりコントロールできる制球力、度胸は光るものを感じさせる。変化球は縦に鋭く落ちるスライダー(110キロ前後)。変化が大きいスライダーと小さく落ちるスライダーがある。大きいスライダーは空振りを誘い、小さく落ちるスライダーはカウントを稼ぐスライダーである。速球と縦のスライダーのコンビネーションは絶妙であり、ストレートを見せ球にしながら、縦のスライダーで抑えていく投球だ。小さなスライダーもインコースに投げるなど同じ球種でも攻めのパターンを増やしている。昨年よりもストレートの比率は高くなり、本人もストレート中心の組み立てをしようとする意図が見えるが、まだストレートが高めに浮くことが多く、制球力が不十分だ。 (クイックタイム・牽制) この投手はクイックと足上げを使い分ける投手。クイックする時のタイムは1.2秒前後。足上げのときは1.5秒。打者の打撃力、走者の走力を判断し、クイックと足上げを選択している。牽制も随分入れるようになってきて、ランナーへの警戒心が高まってきた。フィールディングの動きは悪くない。 (投球フォーム) ノーワインドアップから入る。左足を高く上げて、右足はしっかりと立つ。このバランスは良い。左足をショート方向へ伸ばしていくが、それほど腰を落とすフォームではない。日本文理の投手は伝統的に腰を深く落とすことはなく、肘のしなりで投げる投手が多い。左腕のグラブを天に向けて引き込んでいき、テークバックを大きく取っていく。やや肘が下がり気味だが、背中側に引きずるようなことはない。軸足が跳ねないように意図的に押さえ付けている。そしてリリースしていく。フィニッシュに膝が割れている。上半身主導のフォーム。投球フォームは日本ハムで活躍した岩本勉を彷彿とさせる。
更新日時:2011.06.15

将来の可能性

昨年よりも球速・球威を向上し、投球の幅は広がってきたように感じる。高校2年生としては完成度の高い好投手であることは間違いないが、まだ隙があり、全国レベルの九州国際大打線と対すると通用しない部分がある。取り組む姿勢は良いし、全国レベルの打線と対戦した経験ことで学んだことは多いはず。更にストレートの球威・制球力を磨きながらまずは北信越を代表する右腕に成り上がることを期待したい。
更新日時:2011.06.15

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