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オコエ 瑠偉

オコエ 瑠偉(関東一)

都道府県:
高校:
学年:
2016 年卒
ポジション:
中堅手
投打:
右/右
身長:
183 cm
体重:
83 kg
データ最終更新日:2015年9月15日

寸評

 2015年の甲子園を最も盛り上げたオコエ 瑠偉。オコエは抜群の身体能力+感性の鋭さ+大舞台でも動じない精神力の強さが備わった選手であること。技術的なことについては荒削りで、一見苦労しそうに見えるが、それを乗り越える人間性が備わったのがオコエなのだ。本人が目指すのはトリプルスリー。とてつもない目標だが、一番ネックになるのはやはり打撃となる。

(打撃)

 トリプルスリーは野手にとって究極の目標であるが、オコエがプロで活躍するうえで一番の壁になりそうなのが打撃なのだ。

 オコエは自分の課題にしっかりと向き合って取り組める姿勢がある。そしてU-18では大阪桐蔭の西谷監督からの指導でスイングの軌道を修正しつつ、軸足の動きを直したであった。

 U-18後の打撃練習を見ると、初めてオコエを取材した3月の時よりもスイングの軌道がスムーズになり、鋭い打球を連発していた。「あの時よりもだいぶ良くなっていましたね。久しぶりに練習したのですが、だんだん感触は掴んできたと思います」とオコエも手応えを感じている様子だった。

・構え

 オコエを見ていて良くなったのは構え。スタンスはスクエアスタンス。グリップを肩の位置に置いて背筋を伸ばして、歩幅を広く取って構えている。しっかりと両目で投手を見据えることができて、驚異的な視力を持つオコエでも見えにくい構えだったら意味がない。それをいかすシンプルな構えだ。

・始動

 オコエは様々な投手に対応したい狙いがあるのか、始動の仕掛けは早く、投手の足が下りたところから、左足を上げ始める。左足はゆったりと高く上げていきながら、間合いを測っていく。いつも高く足を上げているが、U-18決勝戦では、チェンジアップが得意なニコラス・プラットに対して、足をすり足気味に上げて踏み出して、対応したようにここぞという場面で工夫できる選手なのだ。

 上半身の動き

トップの動きを見ていくと捕手側方向へ引いていく。この時、トップが体の後ろに入りすぎており、そのためインコースに対してはうまくバットが畳むことができず、どん詰まりになる傾向がある。いわゆる外回りのスイングにつながりやすい。が、興南戦で放った決勝本塁打は一番バットの出が良かった。あれほど加速した状態で、身体も回転できれば木製バットでも本塁打が打てるだろう。

 だが外角に対しては、スムーズにバットが出ているので、ヒットゾーンは外角球。しかし気になったのが、芯で外した打球が多いこと。木製バットを使っている時に一番気になったのが、インパクトまでしっかりと加速した状態で捉えきれていないこと。プロ選手の本塁打を打った場面を見れば分かるが、トップからインパクトまで加速が素晴らしい。オコエの場合、まだその加速が弱い。1年目で一番鍛えなければならない点だと考えられる。

・下半身

 下半身の動きを見ると、踏み込んだ足はしっかりと我慢することができているが、軸足がすぐに崩れた状態になっていて、力月変わりにくいスイングになっている。オコエも軸足の動きにはかなり気を付けているようで、良い時はインパクトまで軸足をしっかりと我慢させることができている。

・軸

頭の動きを見ると何とか我慢することができており、一定の位置でボールを見続けることができている。驚異的な視力を持つオコエだが、しっかりとボールを見える状態を作ることができている。

 打撃で一番気になったのはインパクト時にしっかりと加速した状態でボールを捉えることができているか。打撃練習では良い形でボールを捉えることができていたが、また140キロ以上のボールと対応することになったときには、壁に直面する可能性がある。

 ここはプロの指導で、どれだけ変われるかという点だが、オコエはいろいろ試行錯誤を重ねながらここまでの打者になってきたので、技術的な欠点も克服できると期待する。始動の仕掛けや、木製を使ったU-18の打撃を見ていくと、スラッガータイプではなく、3割前後、10本塁打も打てそうな打者になっていければ理想だが、30本塁打を打つとなれば、何かコツをつかんだ時。

 それまではプロで活躍できる土台を築き上げることが一番である。

(走塁)

 もう全国の野球ファンに認知させたオコエの俊足ぶり。

 二塁到達タイムが7秒83と右打者とは思えないタイムを計測するだけではなく、三塁到達でも10秒75と素晴らしいタイムを計測。オコエが素晴らしいのはただタイムだけではない。我々の予測を超える積極的な走塁である。ちょっとミスしたら二塁というレベルではない。これいくの?と思うシングル安打が二塁打、さらに野手のミスが重なったら三塁。さらに送球の乱れがあったら、本塁へ突っ込んで生還するなど、見ている我々が固まってしまう走塁を見せたのがオコエだった。

 さすがに守備力が高いプロでも同様の走塁ができるとはいいがたいが、だがこの積極性は何か突破口を切り開くことは間違いなく、盗塁もプロのコーチの下、スタートの技術を学んでいけば、失敗を恐れないメンタリティ、そして向上心は誰よりも強い選手なので、十分に盗塁王を獲得できる選手といえるだろう。

(守備)

 オコエの守備は、身体能力任せではなく、しっかりと計算を尽くして守備をしている。打者のスイング軌道、打球方向、過去のデータ、風などあらゆるデータを頭に入れているからこそ、打球がどこに飛ぶのか予測できる選手であり、抜けると思った打球でも、あんなところにいるの?と思わせる守備ができる。むしろプロでは身体能力の高さよりも、打者に応じて、球場に応じてあるゆる状況を判断して守備位置が決めら、確実に守ることができる選手が生き残るといえる。後ろ、横に対する打球の反応は文句なしで、十分に守備の名手になる可能性は秘めているだろう。

 そして肩だが、本人は意識して、大きな腕の振りの軌道で投げる。そのスローイングは非常に力強く、プロレベルでも強肩をウリにできそうだが、コントロールが不安定。どっちにはまるか、注目をしてみたい。

将来の可能性

 オコエだが、ドラフト1位で指名を受けたというのを考えるとよほどのケガがない限り、1年目はファームでレギュラーを獲得し、かなりの出場機会を積むのは間違いない。1年目の後半で一軍デビューする可能性もあるだろう。

 一定以上の守備力、走塁技術が備わった選手であり、そして自覚持って取り組める姿勢もあるので、守備・走塁は一軍レベルに到達するのも時間の問題。守備では名手、走塁ではしっかりと盗塁技術を身に付け、毎年、盗塁王争いに加わっていく選手。

 プロのレベルに慣れて、一軍で活躍するのは、3、4年目となってくるだろう。

 あの山田 哲人も高卒3年目で一軍定着、4年目で大活躍、5年目がトリプルスリーだ。

 活躍できるまでにどれだけの土台が築けるか。一番、活躍できる土台を築かなければならないのが打撃。

 トリプルスリーを達成した山田哲人は高校時代、素晴らしい長打力は持っていたが、プロで1シーズン30本塁打以上打つとは全く想像できなかった。山田は遠くへ飛ばす技術・コツをつかんで一気に本塁打を量産したように、オコエはオコエなりのコツをつかんでいけば良いが、山田は5年目でその感覚をつかんだのは、これまでのプロ野球の歴史を振り返っても稀有な例だけに、まずはオコエはプロレベルで3割前後を目指せる打撃技術を築き上げ、一軍で活躍することを目指してほしい。

 そして長打へのこだわりを捨てることなく、長打を打つコツを身に付けたとき、オコエが目指す選手像は実現していることだろう。

情報提供・文:2016.01.01  河嶋 宗一

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