坂口 湧希選手 (神村学園)

坂口 湧希

球歴:神村学園

都道府県:鹿児島

ポジション:外野手

投打:右 / 左

身長:180.0 cm

体重:75.0 kg

学年:卒業

寸評

 2011年の鹿児島を代表する強打者だったのだが、甲子園では2打数0安打 2四球 1打点 と、その強打を発揮できぬまま甲子園を去った。そのため私は、鹿児島大会模様も含めて、彼の実情をご紹介したいと思う。 (どんな選手?)  三拍子揃った大型外野手で、特に相手の隙を突く走塁が彼の最大魅力。ただ甲子園では、自慢の走力をアピール出来ず残念でした。 (守備・走塁面)  中堅手としては、打球への反応、落下点までの入リ方、キャッチングなどは、まずまず安定しています。肩もかなり強く、将来的には守備でもアピールできるレベルになれると思います。現在は、そこまで洗練されていませんが、鍛えれば面白そうです。  一塁までの塁間は、4.2秒台と、プロの基準レベルぐらい。鹿児島大会6試合で8盗塁を決めた選手にしては、それほどタイムは早くありません。しかし相手の隙を突いて、次の塁を狙う技術は一級品で、鹿児島大会では好走塁を連発。そういった意味では、上のレベルでも足を売りにして行けるセンスを感じさせます。 (打撃内容)  鹿児島大会の決勝(2011年07月23日)では、4安打を放つなど、実力のほどを魅せてくれました。特に外角低めの球に、上手くついて行ける膝の柔らかさがあります。ただ今回調べてみて、意外に欠点も多いことがわかりました。鹿児島大会では、1本塁打 7打点 8盗塁 打率.481厘と活躍致しました。 <構え>  前足を軽く引いて、グリップは平均的な高さに添えます。腰の据わり・全体のバランス・両目で前を見据える姿勢もよく、欠点のない良い構えだと思います。 <始動>  残念なのは、一度ベース側に足をつま先立ちしてから本格的始動するので、動作が遅くなりすぎてます。そのため打てるタイミングは、極限られていることがわかりました。上のレベルの野球を考えるならば、もう少し余裕のある始動に変えないと苦しいと考えます。 <下半身の動き>  足を少しだけ浮かせて踏み込みます。「間」がないので、打てるポイントは限られており、狙い球を逃さず叩く「鋭さ」が求められます。彼は比較的、そういったタイプではありますが、それにしても始動が遅すぎます。ただ真っ直ぐ踏み込むことで、内角でも外角の球でも捌ける幅広さは持っています。踏み込んだ足元もブレないので、特に外角の低めの難しい球でもついて行けます。 <上半身の動き>  始動が遅すぎるばかりでなく、打撃の準備段階である「トップ」を作るのが遅れてます。バットを寝かせながら出しますが、先端が下がらないようにスイングはできており、スイング軌道に大きな癖は感じられません。ただ強打者の割には、ヘッドスピードなどは並で、それほど鋭くはないのが残念。少し上のレベルのスピードに対応するには、苦労するのではないのでしょうか。ボールを捉えるセンス・嗅覚には、比較的優れています。スピードに慣れること、スピードに対応し得る技術を身につけられれば、数字は残せそうです。 <軸>  頭の動きは平均的で、目線のブレは並ぐらい。体の開きは我慢できていて、軸足にも崩れはありません。比較的波の少ない安定した打撃ができる選手だと考えられます。
更新日時:2011.08.25

将来の可能性

 想像以上に、守備・走塁の潜在能力が高かったことは収穫でした。その一方で、打撃の始動が極端に遅すぎたり、ヘッドスピードやボールを捉えるセンスは、思ったほではないのかなと感じました。そのため大学などに進んでも、打撃では対応に時間がかかることが予想されます。  ただ打てない間も、守備・走力が、それを補ってくれる力があり、我慢して起用してもらえる可能性があります。ぜひ大学などに進んで、資質を高めて行って欲しいですね。三拍子それぞれ課題はありますが、その粗さが解消できたとき、プロという世界も見えて来るかもしれません。その日が来ることを、そっと待ちたいと思います。
更新日時:2011.08.25

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