
佐野 皓大 (大分)
- 短評
- 観戦レポートより抜粋(2014年8月12日)
大分の剛腕・佐野 皓大(3年)対日本文理の強打者・飯塚 悟史(3年)の対決に注目が集まった。
佐野は春の九州大会でストレートが最速150キロを計測し、その後の練習試合では152キロまでスピードアップしている。その半面、この夏の大分大会では140キロのストレートさえ数えるほどで、130キロ台のストレートにスライダーを交えた緩急(省エネ)で乗り切ったとも言われる。
どちらの佐野が本物なのか。
試合が始まって、夏の大分大会の佐野が顔を覗かせたと思った。
私はノートにストレートの球速を書き残すとき、最速のものをそのつど書き継いでいく。この日の佐野なら「138、139、140、142、144、145」という具合だ。
138キロからスタートしていることが、現在の佐野のピッチングスタイルを物語っている。
徐々にスピードを上げていき、勝負どころで150キロ近い快速球で打者を圧倒するというプランだが、疲れがない序盤に思い切って腕を振って140キロ台後半のストレートを投げ、打者に「速い」と思わせたほうがその後の緩急の攻めは生きたと思う。
試合前、スカウトに「佐野ってどんな投手なんですか」と聞くと、「(フォームが)好きな人と嫌いな人に分かれると思いますよ」と言われた。実際に見てその意味がわかった。そして私は(佐野のフォームが)嫌いなほうに入ると思った。
この前の試合で完投した星稜・岩下 大輝にも通じるが、佐野の投球フォームは最初から最後までだらだら流れていく。軸足に体重が乗ったときの一瞬の間(ま)、あるいは静止がなく、同じリズムで最後まで流れていくのだ。
そういう悪癖がありながらストレートの球速がこの日は145キロを計測し、2回などは3人の右打者からボールゾーンに逃げていくスライダーで三振を奪っている。これが佐野の素質である。 - 情報提供・文:2014.08.12 小関 順二
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