尾田 恭平選手 (智辯学園)
寸評
166センチと小柄ですが、洗練されたマウンド捌きで完成度の高い好投手。タレント揃いのチームの中で、チームを支える存在です。 (第一印象) ボールに凄みはありませんが、内角を強気に攻めるなど、ただピッチングが上手いだけではありません。上手さと大胆さを、バランスよく兼ね備えたサウスポー。 (投球内容) 球速は125キロ~130キロぐらいだと思いますが、打者の手元でピュッと来るキレがあります。両サイドを投げ分ける制球力がありますが、ストレートが全体的に高いような。それでもスライダーは、低めに集めることができます。変化球は、カーブ・スライダー。牽制・フィールディング、クィックも1.2秒前後でまとめられるなど、野球センスと運動神経の高さが目を惹きます。 <長所> 「着地」までの粘りもまずまずで、体の「開き」を抑えられ、ボールの出処を隠すことが出来ています。そのためコントロールを間違いなければ、それほど痛手は喰らいません。 腕はしっかり振れるので、速球と変化球の見極めは難しいはず。振り下ろす腕の角度にも無理がないので、肩への負担も少ないフォームだと言えるでしょう。 <課題> 膝小僧が地面に着くほど、重心が深く沈んでおり、かえってそれが体重移動を阻害しています。そのため、打者の手元でグッと体重の乗った球威のある球が投げられません。あくまでも上半身や腕を鋭く振ることで、キレのある球を投げるしかなくなります。キレが鈍ってくると、そういった投手は苦しくなります。 また重心を深く沈めている割にボール全体が高いのは、リリースがまだまだ不十分でボールを押し込めていないから。コースには散っていてもやはり高めのボールは長打に結びつきやすいので、キレが鈍ってくると怖いです。
更新日時:2013.12.06
将来の可能性
今後爆発的に、球威・球速を増してくるタイプには見えません。しかしまだ成長期ではあるので、このひと冬の成長は期待できるはず。ぜひ選抜に出場し、全国レベルの投手に成長しているところを確認してみたい一人でした。
更新日時:2013.12.06