永谷 暢章選手 (履正社)
短評
観戦レポートより抜粋(2014年3月31日) 履正社の2番手、永谷暢章はスカウト的に言えば今大会の救世主だった。本格派が少ない今大会にあって、2回戦の駒大苫小牧戦(レポート)でストレートが最速147キロを計測。ソフトバンクの永山 勝アマスカウトチーフは「最後にいいものを見せてくれました」と笑顔で[stadium]甲子園球場[/stadium]をあとにした。 投球フォームはかなりクセが強い。バックスイングに行きながら顎が上がり、それと同時に上体が猛烈に反りかえる。ここからの投げ下ろしで、ストレートは低めに糸を引いたように伸びていくのは背筋の強さの賜物である。変化球は117、8キロの縦に割れるスライダーがあり、130キロ台後半で小さく変化するのはツーシームだろう。ストレートがよくて変化球はそこそこ、という投手が多い中、両方備えている投手は少ない。それでいて同じ2年の溝田 悠人にエースナンバーを譲っているのは、直曲球の威力が長く続かないからだ。 駒大苫小牧戦(レポート)では3回途中からマウンドに上がり、当初快調に飛ばしていたが、6回あたりからストレートの球速が目に見えて下がり始めた。私はノートに「ストレートに緩急をつけるといい」と書いた。 そしてこの福知山成美戦である。8回無死一、二塁の場面でマウンドに挙がると3番佐野 友亮(3年)を三塁ゴロ、4番前田 涼太(3年)を三塁ファールフライに打ち取り、5番西元 正輝(2年)はセカンドのエラーで得点を許してしまうが6番藤田 大成(3年)をストレートで三振に斬って取り、火が点きかけた福知山成美打線を最少失点に抑えた(イニングの失点は2)。 ストレートの球速は最速で144キロと抑え気味だった。150キロ近い数値を期待していた当初は物足りなかったが、「ストレートに緩急を~」と書いたことを思い出し、今はわずか1戦の経験だけでこれだけ工夫を凝らすようになったのかと高評価している。
更新日時:2014.04.01
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