川瀬 晃選手 (大分商)
寸評
大分商の主将で、巧打堅守の遊撃手。投手としても140キロを超える速球を投げるようで、身体能力の高さが魅力の選手。この選手の最大のウリはスピード感あふれる遊撃守備で、本物のショートストップだ。 (打撃) 構えの雰囲気がゆったりとしていて、集中力の高さを感じる好打者。決勝の明豊戦でも2安打1四球の活躍を見せた。 スクエアスタンスで構え、バットを肩の位置に置いて、背筋がしっかりと伸びており、バランス良く構えることができる。また投手をしっかりと両目で見据えることができているのも良い。 投手の足が下りたところから始動を仕掛ける。やや早めの仕掛けで、アベレージヒッター仕様の始動の速さ。足を回し込むように上げて、真っ直ぐ踏み出す。前膝の割れができており、下半身も柔軟に使うことができている。 トップの動きを見ていくと捕手側方向へまっすぐ引いていき、グリップが入りすぎることなく、引くことができているのでインコースもさばける準備ができている。そしてバックスイングを取ってからインパクトまで無駄なくバットを出すことができており、さらに軸のブレ、頭の動きも小さく、しっかりとボールを見て振りだすことができているので、ボールを捉えるセンスは実に良い。 この試合でも常にライナー性の打球や投手の足元を抜く打球を打つことができており、まさに好打者であった。あとは次のレベルを目指して強く振り抜くことを意識していってほしい。 (守備) 明豊戦で再三の好守備を見せるように、とにかくスピードがある。一歩目に対する反応の速さ、フットワークの軽快さ、捕ってから投げるまでのスピードの速さ、スローイングの確実性、強さとどれも一級品。この選手のフットワークの良さとスピードを堪能したい方は、三遊間の深い当たりか、遊撃前のゴロを処理する姿をぜひ注目してほしい。球際も強く、際どい打球に対してこぼさないところも良く、安心感がある選手だ。
更新日時:2015.08.01
将来の可能性
打撃では技術的なモノが優れ、さらに守備でも天性のスピードがあり、上のレベルも好打のショートストップとして活躍できる選手ではないだろうか。高卒プロという選手ではないが、大学・社会人のどちらかで、打撃ではハイレベルな投手に負けない力強さを身に付けつつ、守備ではパワフルな大学・社会人の打球に対応するスピードと技術を身につければ、ドラフト候補と呼ばれる存在になるだろう。
更新日時:2015.08.01